「知の再発見」双書<br> ギュスターヴ・モロー―夢を編む画家

「知の再発見」双書
ギュスターヴ・モロー―夢を編む画家

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  • サイズ B6判/ページ数 158p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784422211374
  • NDC分類 723.35
  • Cコード C0371

出版社内容情報

【解説】
夢・神話・象徴と,独自の魅惑的な色彩を駆使し,人間の内面の深奥に迫る画風は,古典主義の愛好家からシュールレアリズムまで,支持を得ている。第一人者がモロー論を展開。

目次

第1章 駆け出し時代
第2章 イタリア留学(1857~1859年)
第3章 歴史画の再生をめざして
第4章 象徴主義の勝利
第5章 未来へのメッセージ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

36
風の中にある神の心、光に含まれる命の煌めき、花の香りこそが時間の姿だということを教えてくれる、存在しているのに姿を隠しているものを垣間見せてくれる、それが芸術の意味であり存在の理由の大きい一つだと私は思うのです。ギュースターヴ・モローは神話世界から心、命、時間を抽出して磨き上げてキャンバスに表して私たちが見ることができるようにしてくれます。丁寧に飾り付けられた宝石の下には、実はその宝石よりも輝く可能性のある人の姿が描かれています。モローの絵を心にとどめ置き一歩を踏み出せば世界の見方が少し変わるのです。 2017/12/24

ロア

25
「私は神しか信じていない。手に触れるものも、目に見えるものも信じない。ただ感じるものだけを信じている。私の内なる感情だけが、永遠で確固たるものに思えるのだ」✳︎✳︎✳︎デッサンや習作、落書きや風刺漫画など、今まで見た事のなかった作品も知る事ができて満足。絵の解説だけでなくモローにまつわるエピソードやモローの残した言葉なども色々と紹介されています。友人たちとの手紙のやり取りや、晩年にモロー先生となってからの、生徒たちにとても慕われている様子なども微笑ましい。モローの優しい人柄も好きなんだよなぁ(*´ω`*)2019/04/24

A.T

23
サロメ、オデッセウス、ミノタウルス、セイレーン、ヘラクレス…ギリシャ神話の題材を多く描く画家 ギュスターブ・モロー。ルネサンス以降描かれ続けた題材に、モローはあえて何に挑んだのか。「私は何もかも自分で創り出さなければならない。使い古された古代ギリシャの衣装など、いかなる理由があっても使う気がしない」という。19世紀末デカダンスの時代精神が生んだ耽美主義の夢想世界であって、歴史の模倣でないところに人間臭さがただよう。代表作の紹介と巻末の「モローの言葉」が初心者に優しいガイダンス。2019/08/03

奏市

20
近年だんだんモローに興味が高まっていて、昨年モロー展に行ったのもあり、古本屋で見つけて購入。幻想的で色彩豊かな宗教画を色々と学べた。ただ、ギリシャ神話や聖書の知識がないと真に理解はできないのだろうなと感じる。ルオー(モロー美術館の初代館長でもあった)とマティスは弟子だったのか。「目に見えないもの、ただ感じるものだけを信じている。」クールベやドガとは対照的。「性愛」についてモローの言葉。「この歴史的テーマを寓意と象徴のレベルに引き上げることによって、私はこの主題を最も高貴な人々の悪魔的な詩に変えてみた。」2020/04/11

春ドーナツ

17
喫茶店で本書を紐解く前に目薬をば。「ん」眼鏡をかけたままという失態を演じる。以前煙草のフィルターに火をつけて「ん」となったことを思い出した。著者は国立ギュスターヴ・モロー美術館の館長さんです。「オイディプスとスフィンクス」後者が前者にしがみついている様から、私は目を離すことができない。その間に3本煙草を吸った。「オルフェウス」の顔は「ミケランジェロの《瀕死の奴隷》の石膏マスクをもとに造形された」へえ。乙女よ。美しい。余りにも美しい作品だ。時間を失念。というか、消滅。嗚呼、なんと目の保養になったことだろう!2018/12/02

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