出版社内容情報
【解説】
小石や木切れで数を数えていた時代から,やがて数字が発明され,ついには抽象的な数論の世界に至るまでの歴史を語る。「数」に取り組んだ人々による感動的なものがたり。
目次
第1章 数えるという行為
第2章 数字の誕生
第3章 インド式位取り記数法
第4章 数論の世界
第5章 数の世界の拡張
第6章 ゼロと無限
第7章 数と人間
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
124
再発見双書の中の数学がらみの本ですが、「数」に徹しているような気がしました。私はもう少し幅広に数学の歴史を期待していたのですがこだわりがあるようでかなりそういった点ではあまりない本だという気がします。そういった面ではかえって希少価値があるかもしれません。音楽や黄金数についても詳しく述べられています。2017/05/13
おけば
4
場所によっては2新法や20新法が使われていた所があったそうなので、すごいなぁと思いました。あと、60新法がよく使われている理由に「約数の多さ」をあげたのはとても納得できました。2014/03/22
午後
2
物の数を指折り数えていた頃から、骨に印を刻み、数字が作られ、その後位取りの原理やゼロの発見、負の数や演算記号の整備など、長い歴史を経て今の数の形に練り上げられてきた。数は物を抽象化することから生まれ、虚数や複素数や無限の濃度などについてはもはや数が独り歩きを始めた感もある。黄金数と美術の関係や、比の考え方と音楽の関係、様々な巨大な数などのちょっとしたコラムや、豊富な図版、写真は眺めているだけでも楽しい。数論に興味が出てきた。2020/05/13
ホワン
1
数論で新たな発見が出なくなって着ている。 100年後には数学の進歩は止まり、それに伴い物理学、自然科学も停滞する。その時にはじめて人類はどこに進むのかという古典的、根源的な問いに向き合うかもしれないという括りの文章が興味深かった。2016/03/26
Dekobank
1
「リスク」を読んで数の歴史に興味を持ったので。物の数を数えるためには色・形・大きさなどの物質固有の特徴を切り捨てて「同じ」と捉える抽象化の概念が必要、なるほど。音質を捨てて持ち運びを重視したウォークマンの発想と似てる。歴史的には物を指折り数える、数を骨に刻んで保存する、石で計算する、10個のものは「じゅう」と呼ぶ呼び名(数詞)を発明するまでは何とかできそうな気もするが、文字・数字・底・位・ゼロ・負数・無理数・複素数を発明したのは本当に天才的。今使っている数字の凄さを改めて実感。2015/01/12