出版社内容情報
【解説】
科学革命以降,錬金術をはじめとする秘教的な知は「ぺてん」とされ衰退してゆく。化学の発達を促し,ルネサンス以降も文学,思想,芸術に影響を与えた錬金術を解説する。貴重な図版が多数収録。
目次
第1章 錬金術の諸概念
第2章 錬金術の理論
第3章 錬金術の実践
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SKH
4
種村季弘監修。2014/05/20
紫
2
「知の再発見」双書の一冊で、本書のテーマは錬金術。パラケルススのホムンクルス製造やらファウスト博士の伝説やらを期待してお読みになってはいけません。錬金術の歴史やエピソードはほとんどなくて、錬金術の概念・理論・実践が本書の主な話題なのであります。とにかく「錬金術とは何ぞや?」という話題に終始しておりまして、ファンタジーやオカルトの参考にしたいという程度の動機で読んでみた読者にはほとんどちんぷんかんぷんな話題の連続。豊富な図版は楽しいものの、本文とはほとんど関わっていないような……。星3つ。2021/12/14
いきもの
2
錬金術の基本理論とかその辺。なんかこのシリーズ図版が多いのはいいんだけど、あんまり文章の補助になる図版じゃないし読みにくい。原書からして読みにくいシリーズなのか、出版社のチョイスが変なのか。。。2018/05/21
月光密造者
1
欧州発祥と捉えられがちな錬金術。実は東洋にもあった。欧州の錬金術のルーツは、北アフリカのエジプトに産まれたヘルメス思想にある。その歴史が様々な資料とともに分かりやすく紹介されている。「宇宙霊魂」と呼ばれる「真理」を抽出しようとする試みは、西洋哲学の物質的な実験に思える。錬金術士達の純粋な想いを周囲のオカルト(噂)好きが、より怪しい世界観を形成した感がある。資料としての価値は高いと思う。2012/06/03
地図
0
読みやすい本でした。勿論入門編ということは承知で読むべきで、それを踏まえたならば錬金術が未熟な化学体系などでは無く、「実践される形而上学」であったことをはっきりと述べており、錬金術の概観の理解を容易としている。2017/06/30