出版社内容情報
【解説】
「印象派」の出発点となった『印象・日の出』から晩年の大作『睡蓮』にいたるまで,モネは自分自身の「眼」だけを信じて,光と影の世界を追求。色彩世界での活躍を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
124
印象派の代表的な画家モネの生涯を、豊富な絵と写真で紹介していく本。これを読むとモネの一生が闘いの連続であったことが分かる。貧困や無理解といった苦しみを乗り越えて、辿りついた晩年のモネの絵には澄みきった美しさを感じた。リアルなタッチで自然を描くのではなく、移り変わっていく光の集合体として描いていくモネの画風は現在でも新鮮で斬新だ。同時代の芸術家たちとの書簡が胸を打つ内容で、モネは友達を大切にする細やかな心遣いの持ち主であったことが分かった。友と生涯にわたって凝視し続けた自然がモネの芸術を支えていたのだろう。2015/12/20
ゆっき~
13
ルノワールのときもそうだけど、先に逝った仲間たちを見送る記述を読むたび涙が出そうになるんだよなあ。私はオランジュリーにある睡蓮の連作が一番すき。いささか心象的な風景であっても、あの静かなのに圧倒的な空間のことはちょっと忘れられない。日本語で読める中ではけっこういい本だと思う。2014/02/24
羊の国のひつじ
11
モネの生涯と作品たち。同時代の著名な芸術家たち、モネの賛同者の支えがあってこそ、モネは自分の絵に向き合えたのだろう。マネやルノワール、ピサロなどとも書簡により、互いに尊敬し合い、友人として親しくしていたことが分かる。それもまた不思議な感じもするし、面白い。モネの光の描き方が好きで色をきちんと見てみたいので、やっぱり実物を見てみたいです。2017/04/23
ぞしま
9
モネの人生や、その時期と作品や、周辺人物がさっと分かる感じです。とりあえず満足。巻末に書簡があるのもいいと思います。2014/10/11
二藍
9
ちょうど『ジヴェルニーの食卓』を読んだところだったので。有名な『睡蓮』は吸いこまれそうな、はたまたわたし自身が浮かび上がりそうな深さがあると思う。『ヴェトゥイユの画家の庭』に漂う幸福感も好き。2014/02/23