出版社内容情報
【解説】
古代宗教における「死」はどのような形で儀礼の中に存続され,「死後の世界」はどのように考えられたのか。墓地の変遷,伝承,遺言,絵画などから探る死の博物誌。
目次
第1章 死には歴史があるか?
第2章 マカーブルからルネサンスへ
第3章 バロックから啓蒙の時代まで
第4章 ブルジョア風の死の登場
第5章 20世紀の新たなタブー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
152
ヨーロッパにおいて「死」というイメージがどのように変遷してきたのかを主に図や絵画を使って説明してくれています。これを見ると非常にわかりやすく必ず骸骨あるいは骸骨をモチーフにしたものが出てくるのですね。「ブルジョア風の詩の登場」という最後の章が少し新鮮味がありました。2017/05/07
白義
23
ヨーロッパにおいて死のイメージがどのような歴史を辿ったかをビジュアルを交え語ったいる。古代において、死の儀礼とはどこか祭に近いような、いかがわしくて異教的な世界と結び付いていた。その後、死はキリスト教化し、時代に合わせて、バロック期には葬儀の大仰化、啓蒙の時代の家庭化や死のイメージのロマン化などを経て、科学と商業化の現代では、死のイメージは我々の生から遠ざけられ、忘却されつつある。死のキリスト教化とペストの結び付きを論じた部分、絵画による資格資料も圧巻のものである2015/03/15
SKH
11
主に欧州における「死」の歴史。2014/05/08
じじちょん
5
葬儀や死を表した絵画資料とその解説が充実しています。 本がA4サイズだったらもっと見やすいレイアウトになったのかなと思いました。資料が豊富なので、その点が勿体ないなと思いました。2017/06/03
Saiid al-Halawi
5
ヨーロッパ人の死生観を巡る観念史。内容云々よりも随所に散りばめられた絵と写真が素晴らしい。さすがカラー印刷。本文要らないんじゃないか疑惑。。。2012/01/07