出版社内容情報
明智光秀の死後、光秀に関する史実を翻案した物語が、近世の京都を軸にして、どのように変容し受容され、また発信されたのか。現代日本人の思い描く光秀像にまで影響を及ぼす「伝承としての明智光秀」に迫るスリリングな史書。町・集団・家などが、書物や芝居などの情報と共振しながら、それぞれに多様な光秀像を創り発信する過程を実証的に明らかにする、本能寺の変の謎にも、「本当の」人物像にも迫らない、今までにない明智光秀論。
内容説明
月岡芳年の明治一九年の作「山城小栗栖月」。明智光秀最期の場面を描く有名なこの構図は、じつは、歴史的に作られた虚構である可能性が極めて高い。江戸時代に史実として信じられていた、善悪様々な光秀像を追いながら、そこに反映される、近世民衆の集合的な心性を明らかにしていく、今までにない明智光秀論。
目次
序章 光秀供養の明かり
第1章 洛中地子免除と光秀
第2章 史料に見える明智光秀の最期
第3章 小栗栖と光秀
第4章 光秀の首塚
第5章 明智光秀の戒名
第6章 明智光秀の重臣たちと墓
第7章 光秀は生きていた?
第8章 明智光秀像の生成―通俗軍書と都市文化
終章 白井河原の光
著者等紹介
村上紀夫[ムラカミノリオ]
1970年愛媛県今治市に生まれる。立命館大学文学部史学科の後、大谷大学大学院文学研究科に進学し、博士後期課程を中退。2013年に博士(文学)を奈良大学で取得。主に近世京都の庶民信仰を研究している。現在は、奈良大学の文学部史学科教授として日本文化史を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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