出版社内容情報
ビザンツ世界とローマ・カトリック世界の間という立地を活かして交易で財をなした「史上最も長く続いた共和国」の通史。地中海交易で財をなし、共和国として千年以上にわたって命脈を保った海上国家ヴェネツィア。
ビザンツ世界とローマ・カトリック世界の間という特殊な立地を活かした海上交易や海上領土の存在が注目されがちだが、実はその陸上領土が重要な役割を果たしていた。
本書では伝説上の5世紀の建国から説き起こし、18世紀末の共和国滅亡とイタリア王国への編入までを扱う。「史上最も長く続いた共和国」の好個の通史。
■はじめに
守護聖人を持ち帰った商人/有翼のライオン――ヴェネツィアのシンボル/本書の視点
■第1章 ヴェネツィア誕生――海の上の街として
1 蛮族から逃げる
2 ヴェネツィアの下には森がある
3 東西の皇帝の間で――ビザンツ帝国と神聖ローマ帝国
4 ヴェネツィア商業のはじまり
■第2章 地中海交易による繁栄
1 ビザンツ帝国の八分の三
2 四つの海の共和国
3 『ヴェニスの商人』
■第3章 商人の共和国――元首・大評議会・元老院・十人委員会
1 ヴェネツィアの貴族共和政
2 ヴェネツィアの政治機関
3 ヴェネツィアの貴族と市民
■第4章 陸への拡大と国際状況の変化
1 ヴェネツィアの陸上領土
2 東方における国際状況の変化
3 西方における国際状況の変化
■第5章 陸のヴェネツィア(テッラフェルマ)
1 陸上領土拡大の最初の動機
2 「農業」という分野――人口成長の時代の投資戦略
■第6章 イタリアの地域国家として
1 カンブレー同盟戦争の敗北と失地回復
2 「ヴェネツィア神話」とテッラフェルマ支配の正当化
3 中央集権と地方分権
4 テッラフェルマにおける統治体制
5 テッラフェルマにおける税システム
■第7章 ルネサンスとヴェネツィア
1 花開くルネサンス
2 ヴェネツィア・ルネサンス絵画
3 一六世紀の都市ヴェネツィアの革新(レノウァティオ・ウルビス)
4 ヴェネツィアのルネサンス建築
5 パッラーディオ――古典主義ルネサンス建築の名手
■第8章 文化国家としてのヴェネツィア
1 一六世紀末の繁栄――取り戻したもの、変化したもの、失ったもの
2 一七世紀――教皇庁との論争とカンディア戦争
3 歓楽と観光の都
4 グランドツアー
5 共和国の終焉
あとがき
参考文献
索引
中平 希[ナカヒラ メグミ]
著・文・その他
内容説明
海のなかに誕生し、海上での商業活動をエネルギーにして成長したヴェネツィアは、他のイタリア諸国と比べると、およそ百年遅れて陸上でも領土を広げ、「海の国」と「陸の国」の双方に立脚する共和国になった。本書は海と陸の二つの面からヴェネツィアの歴史を見たものである。
目次
第1章 ヴェネツィア誕生―海の上の街として
第2章 地中海交易による繁栄
第3章 商人の共和国―元首・大評議会・元老院・十人委員会
第4章 陸への拡大と国際状況の変化
第5章 陸のヴェネツィア(テッラフェルマ)
第6章 イタリアの地域国家として
第7章 ルネサンスとヴェネツィア
第8章 文化国家としてのヴェネツィア
著者等紹介
中平希[ナカヒラメグミ]
広島市生まれ。広島大学文学部卒業、広島大学大学院文学研究科(西洋史学専攻)博士課程後期単位取得退学。博士(文学)取得。鳥羽商船高等専門学校一般教育科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
figaro
てり
fujiokashinya