出版社内容情報
ドイツの「軍隊と社会」学派の旗手プレーヴェによる軍事史研究の最新の入門書。従来の、兵器・戦術などにのみ焦点をあてた狭義の軍事史ではなく、軍隊が社会に与えた影響、社会から受けた影響に注目、「歴史のなかの軍隊」を描くことを主眼にして、近年の研究動向や課題をコンパクトにまとめている。主としてドイツ史を扱うが、周辺国家への目配り、比較研究も充実しており、軍事史、ヨーロッパ史の研究に刺激を与える内容。今後の研究の手引きとなる訳注、原語・訳語対照一覧、索引も掲載。
内容説明
従来、軍事史といえば、戦略・戦術や軍事技術などを中心とする「戦史」が一般的であったが、すでにヨーロッパではこの狭義の軍事史をこえて、軍隊や戦争と社会との相互関係を明らかにせんとする研究が進められている。本書は、その新しい潮流をふまえた、ドイツの「軍隊と社会」学派の旗手プレーヴェによる軍事史研究の最新の入門書である。経済・社会・文化・技術史など多岐にわたる研究の成果と動向をまとめており、ドイツ史のみならず、ひろく西洋史研究一般、さらには日本史など隣接諸分野の研究に一石を投じる書といえよう。巻末に詳細な訳注、原語・訳語対照一覧、索引つき。
目次
第1部 概観(序論;後期啓蒙と初期自由主義―戦争と軍隊(一七六三~一八五〇年)
国民化と工業化―戦争と軍隊(一八五〇~一八九〇年))
第2部 研究の基本的諸問題と動向(専門分野としての軍事史;長い一九世紀の軍隊と戦争;軍事史の新しい研究領域と課題;一九世紀ドイツ軍事史の核心問題)
著者等紹介
プレーヴェ,ラルフ[プレーヴェ,ラルフ][Pr¨ove,Ralf]
ポツダム大学哲学部史学科教授。1960年ドイツ・ニーダーザクセン生まれ。ゲッティンゲン大学で歴史学、ドイツ文学、教育心理学を学ぶ。1992年にゲッティンゲン大学に博士論文を提出(ハールヴェーク賞受賞)、1998年教授資格論文受理(フンボルト大学)
阪口修平[サカグチシュウヘイ]
中央大学文学部教授。文学博士。1943年大阪府生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
丸畠宏太[マルハタヒロト]
敬和学園大学人文学部教授。1958年東京都生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学
鈴木直志[スズキタダシ]
桐蔭横浜大学法学部教授。1967年愛知県生まれ。中央大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士後期課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。