出版社内容情報
台湾が日本統治下だった1930~40年代の豊かな学生生活を、調査資料やインタビューと、170点以上の貴重な写真で描き出す。
内容説明
台湾を訪れると、流暢な日本語を話す老人に出会うことがある。日本統治下の台湾(1895~1945)で、彼らはどのような青春を過ごしたのだろうか。本書は、調査資料やインタビューをもとに、170点以上の貴重な写真で当時の学生たちの自由ではつらつとした日常を描く。18のテーマで学生生活をいきいきと紹介。
目次
学生たちの受験地獄
社会のエリート・高校生
大学生と読書
帝大生
学生たちの社会運動
高校生の寮生活
娯楽
実業教育と鉄道工場
飛行機ブーム
部活動
水泳の授業と海水浴場
近代教育の祭典―運動会
著者等紹介
鄭麗玲[テイレイレイ]
高雄出身。国立台湾師範大学歴史学博士。現在、台北科技大学文化事業発展学科教授。専攻は台湾史。研究テーマは日本統治時代の社会、教育。近年は歴史・文化的観点からアイディア開発・実用化に取り組み、文化事業発展学科の学生と共に地域に根ざした歴史と文化を結びつける創造的な発想で文化・クリエイティブ産業分野の商品を開発している
河本尚枝[カワモトヒサエ]
広島大学総合科学研究科准教授。1989年、大阪外国語大学中国語学科卒業。台湾、日本での日本語教師を経て2000年、龍谷大学経済学研究科民際学コース修了。2005年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カステイラ
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嘉義農林学校の甲子園の快進撃を描いた映画を見て、戦前の台湾の学生生活が気になり手に取る。裕福で勉強できる環境に恵まれていたら台湾人でも大学進学ができて、日本人学生と同様の青春を過ごせることがわかった一方で、完全に日本人向けの入学試験問題、日本人と比べると高い学費設定と知的な台湾人を増やすまいとする支配側の思惑も見える。意外だったのが帝大設置に対して台湾人側が消極的だったということ。ほんの一握りの若者しか行けない帝大に予算をかけるより台湾人が得るものが大きい初等教育に予算をかけろという主張は興味深い。2019/01/17