利休 茶室の謎

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422201399
  • NDC分類 791.2
  • Cコード C0021

出版社内容情報

【解説】
 NHKディレクターの著者が、利休の茶室待庵(国宝)とそっくりの民家を韓国で見つける。利休と朝鮮の関係は?
 文献に出る「高麗囲い」は「こうらいがこい」ではなく「こまがこい」と発音し、それが「小間」に変わったのではないか。
  韓国では国花とされるむくげが茶道でよく使われること。陶芸における朝鮮の影響。それらをまとめてテレビ放映するまでの過程を興味深く描いた遺稿。河合隼雄、久田宗也、脇田修各氏追悼文収録。

内容説明

京都郊外に建つ利休の国宝茶室「待庵」―。NHKのディレクターである著者は、韓国で「待庵」とそっくりの民家を発見する。利休の美に朝鮮文化の影響を探る。衝撃の歴史読み物。

目次

第1章 韓国で「待庵」に出会う(利休の「待庵」とは何か;わたしと「茶の湯」の複雑な関係;韓国「牙山郡待庵」;とり憑かれた日々;「高麗カコイ」の謎に迫る)
第2章 テレビ番組にする(金先生、来日す;韓国へ予備調査;利休「待庵」を復元する;茶碗 ほか)
第3章 利休を深める(二つの番組;建築意匠への影響;儒教の香り;虜囚の人々―秀吉・文禄慶長の役)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるほのパパ

15
NHKのディレクターであった著者が番組制作のために、利休の茶室と切腹の謎に挑んだ遺稿である。 京都に残る国宝「待庵」と韓国の民家を比較しながら、著者の意欲的な探求心がアジアの儒教の中に流れる思想が利休の「茶」を創り上げたということを教えてくれる。 茶室のみならず京都に残る当時の建築物を取り上げて解説しているのも興味深い。 「利休にたずねよ」を読んでから読みたくてずっと探していた著者絶筆作品である。 利休ファンお勧め。2015/09/21

大竹 粋

4
利休は日本人にとって何か特別な存在だと常々感じていたが、なかなか実像のイメージがつかめずにいた。末期癌と戦いながら、残された日をもっともやりたかったことに費やすことができた瀬池山さんの遺作である。そこには主題である謎の提示とその謎を独特のアイデアとひらめきで独創的な仮説を行動しながら作り出していく、疾走感たっぷりの謎解きストーリーでもある。さすがNHKでも硬派ディレクターであったであろう彼女の目は、読者にとってとてもわかり易い視点を提示してくれる。日本の源流にある朝鮮の影響をさらりと理解できたらと思う。2014/08/13

Keikoh

3
ソンビというのは、みずからの地位を求めず、儒教の学徳高い、高潔な人のこと。 儒教の解釈をめぐって、彼らの中ではしばしば政争が絶えない。政争に敗れた人が流されたり、時流に逆らってあくまで理想を求めて野に下ったり、さまざまな理由で俗世を捨てたいわば世捨て人があらわれる。それがソンビである。ソンビといわれた人たちが住む家は「草堂」といって、「草屋三間」が基本。 茅葺きで、簡素なつくり、壁は薄い。二畳強の小さな部屋に、本や文具類を置く床の間のような空間があった。そんな質素な家屋に住み、勉強ばかりして、収入もない。2023/02/16

ロッシ

3
信長は、手柄をあげた家臣に、褒美として、茶の湯の許可を与えていたそうです。だから、茶室でお茶をたしなむことは、敷居の高いことだったみたいですね。著者いわく、利休の茶室は、朝鮮の高麗の影響を受けているそうです。その茶室は、儒教そのもので、茶道の作法にもその教えが垣間見られるそうです。ここで、新渡戸稲造の武士道を思い出したのですが、武士道も儒教の影響を受けているそうなのです。ということは、日本に武士道の種を持ち込んだのが利休で、その種を植えたのが信長ということになるのでしょうか?ウーン、歴史はミステリアス。2012/07/29

Euki

3
図書館でね、なんかとっても気になる本だったので、ついつい借りてきました。実は別の本を読んでいて、それについて調べにいったのだけどね。見たことがあるテレビ番組のディレクターさんが書いた本だった。利休切腹の謎に迫る内容。日本は島国だけど繋がっていたんだなぁ〜、当たり前か(笑)2011/06/30

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