出版社内容情報
精神科医・ユング派分析家の著者が、つげ義春・村上春樹・中上健次の紡ぐ物語を道標に、人生の意味を根源から考える。
内容説明
つげ義春、村上春樹、中上健次―物語に耳を傾けて、「存在」にこころを響かせて、視えてくる。“生と死”“性と聖”これらの交わりこそが心理療法には不可欠である。世界の神話/社会の力動/人の個性化は「揺らぎ」とともに…。一人ひとりがそれぞれに“生きにくさ”を抱えて苦悶する物語。
目次
序章 無意識の語りへと導かれて
第1章 引き裂かれた女性イメージ―つげ義春の世界
第2章 切り離されたこころとつながりの回復―『海辺のカフカ』に視る近親相姦と解離
第3章 暗闇を引きずった英雄―中上健次『枯れ木灘』における生・性・暴力と聖
著者等紹介
横山博[ヨコヤマヒロシ]
1945年、石川県生まれ。1964年、県立小松高校を卒業、京都大学医学部入学、1970年卒後すぐに大阪七山病院に就職、病院開放化に取り組む。河合隼雄氏の勧めにより1984‐1985年、スイス・チューリッヒ・ユング研究所に留学する。帰国後、隈病院・上野芝病院・竹中工務店に勤務しつつ、分析にも取り組み、河合隼雄氏のスーパーヴィジョンcontrol analysisを受ける。1988‐1989年、研究所へ再留学、ディプロマ論文が認められ、ユング派分析家の資格を取得。1995‐2011年、甲南大学文学部人間科学科教授、現在名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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