出版社内容情報
臨床実践の場で語られる「居場所」という語の歴史的変化、社会的・文化的要因を紐解き、その概念を心理臨床学の視座から捉えなおす。臨床実践の場でしばしば語られる「居場所がない」という言葉。しかし、この「居場所」という語はその意味が明確にされないまま曖昧に使われている。そこで、語法の歴史的な変化、およびその変化に関連する日本の社会的・文化的要因を紐解きつつ、「居場所」という概念が指す現象について明らかにすることを目指すとともに、心理臨床学の視座から改めてその現象を捉えなおすことで臨床実践に一石を投じる試みを行う。
まえがき
序 章 「居場所」研究の心理臨床学的意義
第?部 「居場所」の理論的検討
第1章 「居場所」概念の歴史性と先行研究
第2章 「居場所」概念と日本の文化的特性
第?部 心理臨床における「居場所」の諸相
第3章 「居場所のなさ」について
第4章 「居場所」と「自分」――「いること」、身体、アイデンティティ
第5章 心理臨床実践における「居場所」の視点
第6章 現代的状況における「居場所」と心理療法の意義
終 章 心理臨床と「居場所」――まとめにかえて
注
文 献
索 引
あとがき
中藤 信哉[ナカフジ シンヤ]
中藤信哉(なかふじ・しんや)
1985年、兵庫県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(教育学)。臨床心理士。京都大学大学院教育学研究科附属臨床教育実践研究センター特定助教を経て、現在、京都大学学生総合支援センターカウンセリングルーム特定助教。専門は臨床心理学、心理療法。論文・著書に「集団における居心地の悪さ――青年期における居場所の視点から」(心理臨床学研究,第31巻4号,2013年)、「心理療法における居場所という視点」(皆藤章・松下姫歌(編)心理療法における「私」との出会い 京大心理臨床シリーズ10,創元社,2014年)など。
内容説明
時代とともに変わりゆく「居場所」の意味を心理臨床学の視座で同定する試み。「居場所」「居場所がない」とはいかなる現象なのか―概念成立の歴史的・社会的・文化的背景や、主体・身体との関連を扱うことで、心理臨床実践における意味を問い直す。
目次
「居場所」研究の心理臨床学的意義
第1部 「居場所」の理論的検討(「居場所」概念の歴史性と先行研究;「居場所」概念と日本の文化的特性)
第2部 心理臨床における「居場所」の諸相(「居場所のなさ」について;「居場所」と「自分」―「いること」、身体、アイデンティティ;心理臨床実践における「居場所」の視点;現代的状況における「居場所」と心理療法の意義)
心理臨床と「居場所」―まとめにかえて
著者等紹介
中藤信哉[ナカフジシンヤ]
1985年、兵庫県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(教育学)。臨床心理士。京都大学大学院教育学研究科附属臨床教育実践研究センター特定助教を経て、京都大学学生総合支援センターカウンセリングルーム特定助教。専門は臨床心理学、心理療法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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