出版社内容情報
多民族国家アメリカで、半世紀近く臨床家として活躍してきた著者が、長年の研究と実践の成果を、7人の重度情緒障害児への箱庭療法の事例をもとにまとめ上げた貴重な著作。7人の子どもたちは、ほぼ全員が苛酷な家庭環境のもとに育ち、発達上の問題やPTSDなどの心理的な問題を抱えている。言語レベルでは把握できない彼らの内面の世界が、「箱庭」というイメージの世界の中で遊ぶことによって見事に表現され、感動的な作品を生み出してゆく様は驚くばかりである。
内容説明
言葉以前のこころと黙って「場」を共有する。苛酷な環境で育ち、それぞれに心理的な問題を抱える7人の子どもたち。「箱庭」というイメージの世界での遊びが、彼らのこころの奥深くにある見えないものを開放してゆく。「箱庭療法のもつ力」を実感させる事例集。
目次
第1章 箱庭療法の実践的研究への道(サンドプレーと箱庭療法;実践的研究の発足にあたっての背景 ほか)
第2章 事例―7人の子どもたちの箱庭療法の経験(クリス―家族と社会のタブーを覆す物語;ロン―車椅子の英雄 ほか)
第3章 箱庭療法と「遊び」の深層心理(対象者の背景―その類似点と相違点;カルフの自我意識の発達段階再考 ほか)
第4章 セラピストの経験―治療者の情緒的経験は治療効果に影響するか?(気づきと熟考;データの収集 ほか)
著者等紹介
リース‐滝幸子[リースタキサチコ]
ユング派分析家。箱庭療法のスペシャリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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