出版社内容情報
人の病いの原因は遺伝子・脳であったりするが、「病苦」の探究には人間そのものが関わる。木村敏と論客たちの珠玉の論集。
心の病いの「原因」は脳にあっても、それを病みつつ必死に生きる病者の「苦悩」は、人の生き様に触れた思索でしか扱えない。その思索を《臨床哲学》と呼ぶ。木村敏氏は、人間の客観視によって標準化・至便化を目指してきた世界観に異をとなえ、〈生〉の探究に「主観」を導入した。そしていま〈死〉の探究に「あいだ」を導入することにより、またひとつ大きなピークを築く。その金字塔を記念して錚々たる論客が寄せた珠玉の論集。
はじめに
あいだと生死の問題 木村 敏
生命論的差異について――イントラ・フェステゥム論に向けて 檜垣立哉
コタール症候群の一症例について 保科正章
木村敏の思考の西欧デの受容について ジョエル・ブーデルリック
生命と正常性――カンギレム、ミンコフスキー、木村 深尾憲二朗
自己と他者の異同とその精神病理――死をめぐる民俗学との対話の試み 岡 一太郎
木村敏の思索の軌跡――あとがきに代えて 野間俊一
内容説明
病むことを生きるアクチュアリティ。水平の「あいだ」―生命体と環境(主体と世界)の出会い。垂直の「あいだ」―生命体が「生命の根拠」に根ざす関係。
目次
あいだと生死の問題
生命論的差異について―イントラ・フェストゥム論に向けて
コタール症候群の一症例について
木村敏の思考の西欧での受容について
生命と正常性―カンギレム、ミンコフスキー、木村
自己と他者の異同とその精神病理―死をめぐる民俗学との対話の試み
木村敏の思索の軌跡―あとがきに代えて
著者等紹介
野間俊一[ノマシュンイチ]
1965年香川県生まれ。京都大学医学部卒業、医学博士。ヴュルツブルク大学精神療法・医学的心理学研究所を経て、京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座精神医学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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