心とは何か―カウンセリングと他ならぬ自分

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心とは何か―カウンセリングと他ならぬ自分

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422115276
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C3011

出版社内容情報

半世紀におよぶ臨床実践に裏打ちされた、著者の哲学的思索を、「心とは何か」という大きな命題のもとにつづる、総集成の書。

著者はこの、「心とは何か」という大きな命題のもとで何を伝えようとするのか。カウンセラーとして臨床実践を行うなかで紡ぎだした著者独自の「意識の場」理論は斯界の高い評価を受けたが、著者はその後も常に実践に基づいた思索を積み重ねてきた。それは一貫して「目の前のクライエントにプロとして役立つにはどうすればよいか」という自らへの問いかけの道であったとも言える。本書はまさに、そうした半世紀におよぶ臨床実践に裏打ちされた哲学的思索の総集成である。

まえがき 1
第一章 カウンセラーの心 11
 はじめに 11
 第一節 「何もしないことをすること 12
 第二節 カウンセリング・マインド 17
 第三節 親鸞とルター 23
 第四節 包みこむこと 31
第二章 心について 39
 第一節 コンプレックス 39
 第二節 潜在的可能態と顕在相 45
 第三節 ノエシス(意識作用)とノエマ(意識内容) 49
 第四節 可能態と顕在相 61
第三章 心(精神)現象としての生命相 70
 第一節 心(精神)現象と自分コンプレックス 70
 第二節 近代医学の限界 81
 第三節 二人称の死 86
第四章 死の相について 95
 第一節 一人称の死 95
 第二節 末期患者 102
 第三節 臨死体験 108
 第四節 「金魚」の詩 115
第五章 自分相(ノエシスとノエマ) 123
 第一節 他ならぬ自分 123
 第二節 「私は、私ならずして、私である」 130
 第三節 「我思う、ゆえに我あり」 136
 第四節 『ラストタンゴ・イン・パリ』と若い父親 144
第六章 原イメージあるいは原観念 152
 第一節 原イメージ 152
 第二節 ロールシャッハ・テストについて 159
 第三節 束の間の仮象 167
 第四節 図と背景、そして布置 173
第七章 共通感覚 180
 第一節 ある葛藤 180
 第二節 コスモロジー 188
 第三節 パフォーマンス 197
 第四節 シンボリズム―一人称、二人称、三人称的あり方 204
 第五節 シンボルとしての異性 211
文 献 220
あとがき 228

【著者紹介】
一九二九年生まれ。京都大学文学部卒業。臨床心理学・カウンセリング専攻。学術博士。臨床心理士。大阪外国語大学教授、大阪市立大学教授、四天王寺国際佛教大学教授、椙山女学院大学教授、帝塚山学院大学大学院人間科学研究科教授などを歴任。著書に『臨床心理学入門』『カウンセリングはなぜ効くのか』『カウンセラーは何をするのか』(以上、創元社)、『意識の場理論と心理臨床』『カウンセリング実践史』(以上、誠信書房)、『ユングを読む』(ミネルヴァ書房)ほか多数。訳書に『ユング心理学概説3、4』『愛すること、生きること』[共訳]『ヴィジョン・セミナー』[監訳](以上、創元社)、『おとぎ話における悪』(人文書房)、『ユング そのイメージとことば』(誠信書房)、『子どもの個性化』(培風館)ほか多数。

内容説明

いま目の前にいる「このクライエント」に出会うことで、カウンセラーは、これまで気づくことのなかった「他ならぬ自分」の可能性に初めて開かれてゆく―。半世紀を超える臨床実践のなかで積み重ねられてきた「心」についての哲学的思索。「クライエントにとっての最善のサービスとは何か」を常に追い求めてきた専門家の、一途ともいえる真摯な想いが伝わる。

目次

第1章 カウンセラーの心
第2章 心について
第3章 心(精神)現象としての生命相
第4章 死の相について
第5章 自分相(ノエシスとノエマ)
第6章 原イメージあるいは原観念
第7章 共通感覚

著者等紹介

氏原寛[ウジハラヒロシ]
1929年生まれ。京都大学文学部卒業。臨床心理学・カウンセリング専攻。学術博士。臨床心理士。大阪外国語大学教授、大阪市立大学教授、四天王寺国際佛教大学教授、椙山女学院大学教授、帝塚山学院大学大学院人間科学研究科教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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