出版社内容情報
あがり症、対人恐怖、赤面症、極度の引っ込み思案・・・など、人付き合いの面で強い恐怖心や不安を抱き、それが当人の社会生活に支障を及ぼしている状態のことを「社交不安障害」と呼びます。本書では、まずこの障害の理解や治療法をやさしく解説し、そして対人関係療法の視点から、この障害をどう向き合い、人間的に成長していくかの指針を示します。
目次
第1部 社交不安障害という病気を知る(社交不安障害とは;社交不安障害の症状の特徴;社交不安障害と対人関係のかかわり;社交不安障害に対する治療法;自分には治療が効かないと思っている人へ)
第2部 社交不安障害に対する対人関係療法(社交不安障害を「病気」として認識する;治療で目指していくこと;対人関係療法で焦点を当てていくこと;「役割不安」を乗り越えるために;社交不安に対処する上で役に立つ考え方 ほか)
著者等紹介
水島広子[ミズシマヒロコ]
慶應義塾大学医学部卒業・同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本改革などに取り組む。1997年に共訳『うつ病の対人関係療法』を出版して以来、日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに普及啓発に努めている。現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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popo
24
この病名を付けられたのは、1か月前。 それまでの精神科では、その病名すら出なかった。 あえて、言わない様にしてくれてたのかもしれないが、 この本を手にとって、項目にほぼ全て当てはまるというww まさに、自分の病気のための本だと思いました。 この病気は、病気と自覚することをステップに、治ります!! ピンチのセンサーが人よりも、ズレている事だと言うこと。 克服して行く中で、何回かセンサーが反応してしまって。 やっぱりダメだ。 となるが、実践する中で必ず回復に向かってると言うことをわかってほしい2019/06/27
gtn
13
知り合いに極度のあがり症の人がいる。顔が赤くなり、早口になり何を言ってるのか分からない。他人の家を一人で訪問できない。緊張して電話でハイヤーを呼べない。買い物は会話しなくて済むスーパーにしか行けない。その人のことを個性的だなと性格で捉えていたが、社会不安障害という病気を知り、それではないかと思い当たった。とすれば、性格だからと突き放すのは残酷である。治療が必要な病なのであれば、それを本人にどう分かってもらうか大変難しい。最後は家族の理解と納得の対話しかないと思う。2018/10/09
Yukiko
10
息子は、人の目が気になってしょうがない。そういうお年頃なんだと思っていたのだけれど、浪人なのに予備校に行くこと、オープンキャンパスにいくこと、模擬試験受験、尽く人が不安で、疲れて休みがち。社交不安なのかもしれないと思って読んでみた。 病気だと思う、状況のコントロールを取り戻す、自分が相手にどう思われているかではなく、相手はどんな状況にあるのかを考える、感情を受け入れる、成功体験を積み上げて自己肯定感を高める、などが印象に残った。 一読だけではよくわからない部分が多い。他の本も読んでみたい。2020/08/23
しらゆき
10
社交不安は病気と自身で認識すること、これが自分はできていなかったと分かった。他者との境界をはっきりさせること、自分をコントロールすることが大事だとわかった。本書を読んで、日進月歩で認識はなくても改善すると思い焦らないことを大事にしようと思った。2019/07/06
mitya
9
「不適切な気持ちなどない」「現在の不安を肯定すること」「自分側の問題なのか、相手側の問題なのかという境界線をはっきりとさせる」などなど大変参考になった。「人間性の受容」を学んでいきたい。2018/11/18