愛すること、生きること―全訳『愛と心理療法』

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784422114477
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C0011

内容説明

精神的成長という“往く人の少ない道”をいかに歩むか…「ニューヨークタイムズ」ベストセラーリストに13年連続ランクインした古典的名著、待望の完訳版。

目次

第1部 訓練(問題と苦しみ;楽しみはあとに ほか)
第2部 愛(愛の定義;「恋」に落ちること ほか)
第3部 成長と宗教(世界観と宗教;科学という宗教 ほか)
第4部 恩寵(健康の奇跡;無意識の不思議 ほか)

著者等紹介

ペック,M.スコット[ペック,M.スコット][Peck,M.Scott]
ハーバード大学卒業。ケース・ウェスタン・リザーブ大学で医学博士号を取得。ヴェトナム戦争当時の米軍に精神科医として9年間勤務した後、コネチカット州で心理療法家、精神科医として活動。1978年、The Road Less Traveledを発表後、コミュニティと世界の平和・理解を促進するための非営利団体“コミュニティ・エンカレッジメント財団”を設立し、全米各地で講演、ワークショップを行うかたわら、文筆活動を続けた。2005年没

氏原寛[ウジハラヒロシ]
1929年、大阪生まれ。1953年、京都大学文学部卒業。帝塚山学院大学大学院教授

矢野隆子[ヤノタカコ]
1955年、大阪生まれ。1980年、京都大学文学部卒業(英語英文学専攻)。1984年、大阪市立大学大学院生活科学研究科前期博士課程修了。1996年、兵庫医科大学卒業。現在、森矢野クリニック院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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加納恭史

20
フロイトとユングで心理療法の全とて思ったが、愛と慈悲についての考察や天使と悪魔の宗教的な考察が両者には抜けていると思われた。そこでこの本に出会ったわけだが、非常に興味深く思う。まだ四十、五十年前のベトナム戦争の批判が盛んだった頃の心理療法もなかなか深かったのだな。著者M・スコット・ペックはハーバード大学を卒業し、その後医学博士となりベトナム戦争で米軍の精神科医として9年も勤務した。まだあんまり読んでいないが、苦から始まる仏教での受容や自立を掲げて物語始める。途中から愛の考察に移る。とてもキリスト教的だ。2024/03/19

チワ

13
宗教に理解のある人が読めば示唆に富んだ事柄が多く語られるので満足できると思う。私は特に「恩寵」の章に面白さを感じた。人の無意識は地下茎のように繋がっていて、個はそこから伸びる芽のようなものという考え方に経験から共感を覚えた。面白さだけじゃなくて、神の存在による神へと進む人間の怠惰からくるパニックが恐ろしくゾッとする。しかし締め括りは安堵と希望に満ちたもので、「恩寵の現実」という言葉にしっくりくる感覚、例え無宗教に生きていても、生きていればいつか感じるであろう恩寵の現実にハッとさせられて手を引かれる。2020/05/27

ゆうさん

12
『愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を広げようとする意志である。』とてもグサッときました。「愛する」ということは思っている以上に簡単ではなく、苦労の連続。そう思ってる時にこの文に出会い救われた気がします。他者の、あるいは自分の精神的成長のために自己を広げる。つまりは限界を広げる。限界はそれを超えてこそ初めて広がり、限界を超えることは容易ではない。自己を愛し、他者を愛する。そして、その愛によって精神的成長を重ねていく。素晴らしいと感じました。2017/11/28

よっしー

8
精神科医である著者による愛と心理療法についての著者。建設的に問題の苦しみを経験する手段は以下四つ。楽しみを後回しにすること、責任を引き受けること、真実に忠実であること、バランスをとること。これらの手段は単純だが、苦しみに立ち向かうための手段なので用いる側の意思にかかっている。本書は全体的に、具体的な心身症などの治療や宗教的な話も多く含まれている。良い内容も多いが、項目などがもう少し体系的に分けられていればさらに頭に入ってきやすいのではないかと感じた。2024/02/02

横浜中華街2024

7
1978年に出版された「The Road Less Traveled」の全訳。10年くらい前に抄訳の「愛と心理療法」を読んだ記憶があるが、実は全訳が新しく出ていることをつい最近知ってあわてて再読した次第。抄訳で省かれていたのは「恩寵(Grace)」の章だったが、やはりこの章が最も良かったので全訳してくれたことに感謝。この著書は米国では大変有名で長年読み継がれている。日本人にはなじみにくいキリスト教的観念が強い個所もあるが、「精神的な成長」の重要さについて描かれた文句なしに素晴らしい内容、一読をお勧め。2016/04/12

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