出版社内容情報
複雑な現代社会において、うつ病は実に多様な相を示し、診断をはじめその予防や治療には全体を俯瞰する視点と、個々の症状に合った方法を見いだす熟練した臨床の技が必要とされている。本書は、第5回日本うつ病学会での発表や講演、シンポジウムを基にして新たに書き下ろされたもので、現代日本におけるうつ病治療の最前線を伝えるものとなっている。うつ病を多角的にとらえた内容は、臨床医のほか、心理学関係者、研究者など多方面の人たちに役立つ。
他執筆者:
池田 学、宇佐美政英、牛島洋景、内海 健、小川豊昭、加藤忠史、神田橋條治、北中淳子、齊藤万比古、坂元 薫、新福尚隆、津田 均、中村 敬、西園昌久、松尾信一郎、松浪克文、村田豊久
内容説明
豊饒なる臨床の「知」がここに集結。日本のうつ病臨床の到達点を報告するとともに、第5回日本うつ病学会総会の神田橋條治氏講演を完全収録。
目次
第1部 現代社会におけるうつ病とは何か(うつ病の多様性と力動的理解;「正常な悲哀」と「病的な絶望」の狭間で―うつ病と自殺の医療人類学;東アジアにおけるうつ病医療事情)
第2部 現代うつ病の諸相―その診断と治療(うつ病像のゆくえ;現代のうつ病論―診断学的問題;うつ病の文化・生物学的構成;双極スペクトラム(Bipolar spectrum)の多面的理解
「ディスミチア親和型うつ病」を通してみる現代うつ病医療
非定型うつ病はうつ病か?―非定型うつ病の診断と治療をめぐるControversy
パーソナリティ障害のうつ病
抗うつ薬の時代の憂うつ
子どものうつ病―子どものうつ病が問いかけるもの
発達障害のうつ病
老年期うつ病―認知症との関係を中心に)
第3部 現代うつ病の養生論(『紹介患者に見るうつ病治療の問題点』改め『うつ病診療のための物語私案』招待講演;物語を失ったうつ病研究への処方箋;うつ病の認知療法・マインドフルネス・森田療法;対人間関係療法)
著者等紹介
神庭重信[カンバシゲノブ]
九州大学大学院医学研究院教授。1980年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部講師、山梨大学大学院医学工学総合研究部教授を経て現職。専門は、気分障害の臨床と薬理・生化学的研究、ストレスの脳科学、精神神経免疫学、行動遺伝学
黒木俊秀[クロキトシヒデ]
独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部長。1983年九州大学医学部卒業。佐賀医科大学講師、九州大学大学院医学研究院准教授を経て、現職。専門は、精神薬理学、精神科治療学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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