出版社内容情報
患者や家族の立場に立って懇切丁寧に解説した《治療ポイントシリーズ》第三弾。ビジネスマンの自殺の増加など、うつ病は近年ますます増えてきており、関連書籍も多い。経過や治療法についてはもちろん、特に薬やうつ病の長期化への予防と対策についても詳述し、事例を多く取りあげて、治療者と患者のやりとりを逐語録で示すなど、分かりやすさに重点を置く。
【平井孝男治療ポイントシリーズ】
心の病いの治療ポイント －事例を通しての理解－ （ISBN:4422111280）
境界例の治療ポイント （ISBN:4422112805）
うつ病の治療ポイント －長期化の予防とその対策－（ISBN:4422113240）
内容説明
うつ病治療の実態を正しく伝えた。遷延化・難治化の原因、再発の原因を詳しく解説。治療の基本と長期うつ病の治療例を具体的に伝えた。薬の効能と限界について詳しく述べた。今までのうつ病治療に柔軟性を付け加えた。治療例２１例に逐次解説を加えながら治療過程を詳述。「うつ」の人間的意味を掘り下げた。
目次
第１部 解説編―うつ症状、原因、治療、薬、自殺、遷延うつ病などについて（抑うつとは；うつ状態とは―うつ病の症状；うつ状態の原因―長期化予防の視点から；うつ状態の治療；薬について；自殺について；入院治療について；家族への対応；遷延性・難治性うつ病とその治療）
第２部 事例編―長期化する種々のうつ状態とその治療例（遷延性・難治性うつ病の事例；対象喪失と遷延うつ病の事例；夢を利用した遷延うつ病治療の事例）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
makurasi
2
自分がうつ病なのではないかと手に取りましたが、うつ病ではありませんでした。しかしこの1冊を読むことで、人間的に成長できた気がします。あらゆる困難を糧にして、生きていきたいと思います。2017/07/19
みあちゅ
1
・うつ病になってしまうと、人間に誰にでも起こる憂鬱を病気の症状と勘違いしたり、人生に憂鬱の一切無い有り得ない順風満帆さを求めたりするようになる・調子の悪い自分を、誰にでもある調子の悪さではなく、病気として切り離すようになり、調子の悪さから回復する心の働きがどんどん鈍る悪循環に陥る・薬が効くのは6-7割だけ・うつ病は治らない、というか憂鬱なんて誰にでもあるから「治るわけがない」。「うつ病が治る」とは「気分の変化に対して適切な行動が取れるようになること」などなど2016/07/06
ぱき
1
冒頭（はじめに）を斜め読みしただけでも、 魂に突き刺さるようなコトバがそこあちこちに・・・ (ex.うつ病の本態は「活動も休息も適切にできなくなった状態」とか） 専門家による的確な『コトバの力』をいうものを思い知らされます。 2011/05/18
boudachi
1
事例が多く載っていたので読みやすかったし、著者が日本人医師なので、外国人が書いたものより内容を受け入れやすかった。何より、うつ病の治療目標は「鬱を消失させること」ではなく、鬱をコントロールできること（健康な人はそれができている）、というのが目からウロコだった…これまで、うつ状態を無くさなければ治ったことにはならないのだと思ってたから。患者の身近な人にも、誤解を解くためにも読んで欲しい1冊。2009/06/14
