虐待と非行臨床

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虐待と非行臨床

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784422113203
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C1011

出版社内容情報

<内容紹介>
現在、毎日のように虐待や非行の事件が新聞紙面を賑わせているが、虐待が非行に向かうメカニズムを正面から取り上げ、考察した本はまだ殆どない。本書は家庭裁判所調査官が長年取り組んだ事例や昔話を引きつつ、このテーマに迫り、非行の動機の解明や少年の更生に役立てんとするものである。近年研究が進んでいる「トラウマ」や「解離」の視点からもアプローチする。子どもの問題に携わる専門家、教師、親必読。中井久夫氏序文。

<目次>
◆第一章 虐待を生む親子関係
第一節 虐待と社会の動き
一 統計から見る虐待の推移
二 虐待への対応の歴史
第二節 虐待の中にいる親と子の特徴
一 「児童虐待が問題となる家庭事件の実証的研究」の結果
二 虐待を生じる親子関係
◆第二章 虐待の向かう方向性
第一節 虐待から生まれるさまざまな問題
第二節 昔話における虐待の影響
一 なぜ昔話を取り上げるのか
二 「白雪姫」と「柏槇の話」の比較
第三節 「内への方向性」と「外への方向性」
一 虐待の受け止め方の違い
二 内に向かう方向性
三 外に向かう方向性
四 方向性の持つ特徴
◆第三章 虐待と非行のメカニズム
第一節 虐待が非行へ向かうプロセス
一 虐待時の子どもの精神状況
二 「回避的行動」としての家出
三 盗みの意味するもの
四 適応行動から不適応行動へ
第二節 虐待と非行タイプ
一 虐待回避型非行の特徴
二 暴力粗暴型非行の特徴
三 薬物依存型非行の特徴
四 性的逸脱型非行の特徴
第三節 虐待と非行の悪循環
一 虐待から非行への移行
二 虐待と非行の悪循環
◆第四章 トラウマと非行
第一節 トラウマとは何か
一 トラウマの歴史
二 トラウマの特徴
第二節 トラウマが引き起こす非行
一 ショッキングな体験とトラウマティックな体験
二 トラウマの再現化が生む非行
三 虐待的な人間関係が生む非行
四 トラウマ性の反応と非行
第三節 解離と非行
一 解離とは何か
二 解離が引き起こす非行
三 解離への対応
◆第五章 愛着と恨み
第一節 対象関係論から見た“愛着”と“恨み”
一 心の内にある対象関係
二 対象関係の発達の在り方
三 “キレる”少年の対象関係
四 対象関係から見た“恨み”
第二節 被害と加害の逆転現象
一 悪循環から生まれる被害と加害の逆転
二 虐待をしてしまう親の歪んだ認知
三 立場が逆転した親子関係
第三節 愛着と恨みの心理モデルとその変遷
一 愛着と恨みの心理モデル
二 愛着と恨みの変遷と非行
◆第六章 虐待と非行を乗り越えて
第一節 虐待と非行を理解する枠組み
一 因果関係を明確にするメリット
二 因果関係を明確にするデメリット
第二節 アプローチの方法と留意点
一 トラウマへの二通りの接近法
二 過去の虐待と現在の虐待に対するアプローチの違い
三 一元的な見方と多元的な見方
第三節 親子関係の修復をめざして
一 被害と加害の修復
二 個人的な修復のプロセス
三 和解というプロセス
第四節 対応の際の留意点
一 虐待の否認への対応
二 逆転移の防止とその対策

内容説明

この本は家庭裁判所調査官が視野を広げて虐待から非行への道筋を明らかにしようと多忙な業務のあいだを縫って日ごろの考えを書き上げたものである。

目次

第1章 虐待を生む親子関係
第2章 虐待の向かう方向性
第3章 虐待と非行のメカニズム
第4章 トラウマと非行
第5章 愛着と恨み
第6章 虐待と非行を乗り越えて

著者等紹介

橋本和明[ハシモトカズアキ]
1959年大阪に生まれる。1983年名古屋大学教育学部教育心理学科卒業。家庭裁判所調査官補として採用される。その後、家庭裁判所調査官として、名古屋、大津、福岡、大阪、静岡、和歌山を歴任。現在、大阪家庭裁判所主任家庭裁判所調査官臨床心理士(大阪府臨床心理士会理事)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tkr

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虐待と非行の関係性について親子関係、童話などから読み取られる方向性、解離現象やトラウマ、愛着と恨み、そして最後にアプローチ、解決への道の提示までテーマごとに整理して記載された。ヴァン・デア・コークの引用があったので手にとってみた。20年も前の本なので解離やトラウマ、セラピーに関する研究は少し進んでたりするだろうけど、それでも虐待と非行の問題を考えるのにとても説得力のある一冊だった。当事者たちが、責任転嫁するのではなく問題を内から見てみる大切さを感じた。2023/09/02

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