出版社内容情報
人と人の“対話”はいつも、瞬間瞬間の相互作用に満ちていて、そこでは我と汝の「もの想い」がダイナミックに触れあっている。人間まるごと(言葉・気持・考えにならないものも含めて)がインターフェイスとなる「精神分析」では、いったいどのような“対話”が生じているのか? 本書ではその現場を、どこまでも「生身の体感」をもとに哲学する。また、日本古来の“無心”という側面から、あるいは“稽古”という設定から、人と人の出会いのビビッドな動感を描き出す。――精神分析家が哲学者に何を語ることが出来るか? 哲学者は精神分析の根底にいったい何を読むか?! 稀代の異種ダイアローグを目の前にして、私たちは何を考えるか……。
精神分析家:松木邦裕は
元・日本精神分析学会会長、京都大学名誉教授
哲学者:西平 直は
京都大学大学院教育学研究科教授(臨床教育学)
内容説明
七色のダイアローグ、“こころ”の真髄にふれて交わり瞬く“ことば”哲学/人間学と精神分析が出会って奏でるポリフォニー。
目次
出会い―対話のはじまる前に
体験するひと―はじまりの対話
稽古―自分と向きあう契機
二重の見―生きている転移/逆転移
無心―平等に漂う注意「もの想い」
循環・往来―ワーキングスルー
機―底つきとタイミング
みずからを生きるひと―おわりの対話
対話の終わりに―内なる対話の“始まり”
著者等紹介
西平直[ニシヒラタダシ]
信州大学、東京都立大学、東京大学でドイツ哲学と教育哲学を学んだ後、立教大学に七年、東京大学に十年勤務し、2007年から京都大学大学院教育学研究科教授。専門は、教育人間学、死生学、哲学
松木邦裕[マツキクニヒロ]
熊本大学医学部を卒業後、精神分析修得をめざして臨床実践や学問的研鑽を重ねるとともに、精神分析臨床の訓練を受ける。1999年に福岡市で精神分析室を開設。2009年から2016年まで京都大学大学院教育学研究科臨床教育実践研究センター教授を務めたが、京でのみずからの修行のときと位置づける。2016年より福岡市に戻り、以前の生活に戻る。専門は臨床精神分析学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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