出版社内容情報
精神分析は愛の学問であり、根底にあるのは人間愛です。生を支える「愛」と生を揺さぶる「死」を見つめ、実生活と臨床にいかすヒント!精神分析は愛の学問であり、その根底にあるのは、人間愛です。その「愛」を深く見つめるその視線の鋭さゆえに、誤解されることもありますが、精神分析は「性」の解放を主張するのではなく、「愛」を解放しようとするのです。
私たちは生きているのですから、その生を支える「愛」とその生を揺さぶる「死」を見つめる機会を持つことは、私たちの人生を新たにとらえ直す貴重な機会となるでしょう。その成果を“こころの臨床”に、日々の生活に還元すべく、本書は編まれました。
《こころの臨床セミナーBOOK》三冊目となる本書『愛と死』では、精神分析の欲動理論を検討するのではなく、日々実践している臨床での愛と死、その臨床を踏まえた愛と死を見つめていくことを試みました。それは「愛と死」という日常のものに、精神分析の視座から光を新たに当てる試みです。
講義? 愛と死について考えること (松木邦裕)
愛を語るプラクティス
愛という傷つき
語りとしての愛
知り得ない死
考えられない究極
生きたくて死ぬ
討 論
講義? 精神分析空間における愛と死 (藤山直樹)
真実への愛
愛の道は険しく…
死は迫りくる…
生きているということを受け入れる
討 論
ふりかえり
松木 邦裕[マツキ クニヒロ]
藤山 直樹[フジヤマ ナオキ]
内容説明
“being”であることは“loving”なのです。私たちは生きているのですから、その生を支える“愛”と揺さぶる“死”を見つめる機会を持つことは、私たちの人生を新たにとらえ直す貴重な契機となるでしょう。その検討の成果は、私たちの日常臨床にも、日々の生活にも、還元できるものと考えます。“死”を豊かに想い…「愛を想う」精神分析。
目次
講義1 愛と死について考えること(愛を語るプラクティス;愛という傷つき;語りとしての愛;知り得ない死;考えられない究極;生きたくて死ぬ)
講義2 精神分析空間における愛と死(真実への愛;愛の道は険しく…;死は迫りくる…;生きているということを受け入れる)
著者等紹介
松木邦裕[マツキクニヒロ]
1950年、佐賀県生まれ。1975年、熊本大学医学部卒業。1999年、精神分析個人開業。2009‐2012年、日本精神分析学会会長。2009‐2016年、京都大学大学院教育学研究科教授。日本精神分析協会正会員、京都大学名誉教授
藤山直樹[フジヤマナオキ]
1953年、福岡県生まれ。1978年、東京大学医学部卒業。1999年、個人開業。2001年‐上智大学総合人間学部教授。2012‐2015年、日本精神分析学会会長。日本精神分析協会正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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