不確かさの中を―私の心理療法を求めて

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不確かさの中を―私の心理療法を求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422112916
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C1011

出版社内容情報

人生の終わりが見えてくると、自分史や回想録への志向がたかまる。心理療法家は他者の人生全体に目配りし関わるのを仕事にしてきたので、早くからのその志向を持っている。また、対話に馴れ親しんでいるので、聴き手を得て自分史を語るのが楽である。ただし良質の自分史が語られるには、こころを許せ、時代を共有していて、しかも互いの人生に重なる部分の少ない聴き手が望ましい。そうした好条件を備えた相手を得て、対談集を編むことができた。多くの回想録がそうであるように、本書も建前上の意図は、二人の歩いた道を開示することで後に続く人々に資することである。(神田橋條治「まえがき」より)

内容説明

それぞれの生い立ちから、家族のこと、友人・同僚・ライバルのこと、師匠との出会い、クライエントとの関係、別れについて、「治る」ということ、治療者の祈りについて、後輩を育てるということ、治療者の訓練など、自身の臨床のあるべき姿を求めつづけた二人の臨床家のこころの旅路。

目次

一日目(そもそものはじまり―対談の意図するもの;記憶に残る三人の女性治療者;問いつづけること;職業選択―人間としての転換点;心理療法家への萌芽―それぞれの生まれ育った家と幼児期;問いへの展開;精神分析との出会い;親しい人たちとの別れ;仲間・同僚・ライバル;精神分析治療の目標―葛藤をなくすのではなく意識化すること)
二日目(求めつづける旅のはじまり;一見雑談ふう精神療法へ;人の心は対象関係希求的である;自分の内なる磁針への信頼;中井久夫先生という天才;おわりに―後に続く人たちに望むこと)

著者等紹介

神田橋条治[カンダバシジョウジ]
鹿児島県生まれ。1961年に九州大学医学部を卒業後、1984年まで同大学医学部精神神経科、精神分析療法専攻。1971年から1年間、モーズレー病院ならびにタビストックに留学。現在、鹿児島市にある伊敷病院に精神科医として非常勤で勤めるかたわら、全国の研修セミナーに招かれて後輩の育成と指導に努める

滝口俊子[タキグチトシコ]
立教大学大学院文学研究科心理学専攻修了。慶応義塾大学精神神経科クリニカルサイコロジスト。京都文教大学人間学部臨床心理学科教授をへて、現在、放送大学大学院教授。臨床心理士。慶応義塾大学の小此木啓吾の指導によって精神分析学の知識と技能を習得した後に、ユング派分析家の河合隼雄に教育分析を受ける。日本におけるフロイト派とユング派の双璧ともいえる二人の指導者から直接教えを受けた、希有な臨床家
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