出版社内容情報
描画や箱庭、夢分析を用いた多くの心理療法の試みと、背景にある社会・文化的要因の考察を通じて、大人の発達障害の核心に迫る。
近年増加が指摘され、治療も困難とされる大人の発達障害に対して、どのような見立てを持ち、どのようにアプローチすればよいのか。描画や箱庭、夢分析を用いた数多くの心理療法の試みと、発達障害の背景にある社会・文化的要因の考察を通じて、従来の「主体」を前提とした心理療法モデルに代わる、「主体」の成立を図る新たなアプローチを提示する。さまざまな問題や症状に覆い隠された大人の発達障害の核心に迫る。
目 次
第I部 概 説
第1章 大人の発達障害における分離と発生の心理療法
第2章 未だ生まれざる者への心理療法
――大人の発達障害における症状とイメージ
第II部 事 例
第3章 社交不安障害と診断された20代女性との心理面接
――絡まりがほどける時
第4章 発達障害傾向のある男性との心理面接
――夢分析における「私」が立ち上がるプロセス
第5章 アスペルガー障害と診断された10代男子との面接過程
――分離の契機という観点から
第6章 産婆としての心理臨床
――母と息子が個々の心を実感したプロセス
第III部 アセスメント
第7章 発達障害のロールシャッハ・テストにおける不確定反応
――主体と対象の確定の試み
第8章 発達障害的世界の理解のために
――描画・箱庭等の表現媒体を通じて
第9章 風景構成法に見る大人の発達障害の心的世界
第IV部 社会・文化的背景
第10章 家族関係の希薄化と密着化
第11章 「発達障害増加」と言われる裏側にあるもの
――絵本の代わりにタブレット
第12章 現代におけるユビキタスな自己意識
――サイコロジカル・インフラの消失と発達障害
第13章 発達障害の時代における自己の現況と変遷
――ミクシィからフェイスブックへ
註および文献
あとがき
【著者紹介】
河合俊雄(かわい・としお)1957年生。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。PhD.(チューリッヒ大学)。ユング派分析家。臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター教授。専攻は臨床心理学。著書『村上春樹の「物語」』『心理臨床の理論』『ユング派心理療法』(編著)『発達障害への心理療法的アプローチ』(編著)『思想家 河合隼雄』(編著)など。
内容説明
さまざまな問題や症状に覆い隠された「大人の発達障害」の核心に迫る。描画や箱庭、夢分析を用いた数多くの心理療法の試みと、発達障害の背景にある社会・文化的要因の考察を通じて、従来の「主体」を前提とした心理療法モデルに代わる、「主体」の成立を図る新たなアプローチを提示する。前著『発達障害への心理療法的アプローチ』からのさらなる展開。
目次
第1部 概説(大人の発達障害における分離と発生の心理療法;未だ生まれざる者への心理療法―大人の発達障害における症状とイメージ)
第2部 事例(社交不安障害と診断された20代女性との心理面接―絡まりがほどける時;発達障害傾向のある男性との心理面接―夢分析における「私」が立ち上がるプロセス;アスペルガー障害と診断された10代男子との面接過程―分離の契機という観点から;産婆としての心理臨床―母と息子が個々の心を実感したプロセス)
第3部 アセスメント(発達障害のロールシャッハ・テストにおける不確定反応―主体と対象の確定の試み;発達障害的世界の理解のために―描画・箱庭等の表現媒体を通じて;風景構成法に見る大人の発達障害の心的世界)
第4部 社会・文化的背景(家族関係の希薄化と密着化;「発達障害増加」と言われる裏側にあるもの―絵本の代わりにタブレット;現代におけるユビキタスな自己意識―サイコロジカル・インフラの消失と発達障害;発達障害の時代における自己の現況と変遷―ミクシィからフェイスブックへ)
著者等紹介
河合俊雄[カワイトシオ]
1957年生。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。PhD.(チューリッヒ大学)。ユング派分析家。臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター教授。専攻は臨床心理学
田中康裕[タナカヤスヒロ]
1963年生。上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(心理学)。ユング派分析家。臨床心理士。現在、京都大学大学院教育学研究科准教授。専攻は臨床心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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