出版社内容情報
科学的な調査研究に基づきつつ、対話という日常的な切り口から、発達障害の理解と対応に光を当てる画期的な研究。
本書は、発達障害の人が社会や他者をどのように受けとめているかという発想から発達障害を捉え直すとともに、対話的心理療法の新たな枠組みを提示した画期的な研究。科学的な調査研究に基づきつつ、対話という日常的な切り口から発達障害の理解と対応に光を当てた本書は、心理学領域における理論的展開に寄与するだけではなく、学校をはじめとする教育、相談機関などにおける発達障害者支援にも実践的に役立ち、大きな意義をもつ。
『話の聴き方からみた軽度発達障害』
目次
序章 軽度発達障害と対話的心理療法
第1章 軽度発達障害のコミュニケーション―聴き方への着目
1. 深層心理学的心理療法の基礎
2. 聴き手としての心理療法
3. 語りへの注目
4. 軽度発達障害からの疑念
5. 心理療法からの回答
6. 心理療法を問い直す
7. 〈受ける〉という視点
8. 〈語る〉と〈聴く〉の非対称性
9. 軽度発達障害の聴き方
10. 本書の構成
第2章 人は話をどう聴いているのか1―大学生の聴き方
1. 人はどのように話を聴いているのか?:本章の問題意識
2. 聴く行為に伴う変形
3. 人は話をどう聴いているのか1:大学生群への調査実験
4. 聴き方の分析
5. 大学生の聴き方:3つの調査事例の検討
6. 考察―話を〈聴く〉ことのもつ作用
第3章 軽度発達障害の基本的体験様式―ロールシャッハ・テストの分析―
1. ロールシャッハ・テストを用いた発達障害の研究
3. ロールシャッハ・テストからみた軽度発達障害(1)
―神経症群・大学生群との数量的比較による全般的特性の検討―
4. ロールシャッハ・テストからみた軽度発達障害(2)
―クラスター分析による類型的特性の検討―
5. 次章に向けて
第4章 人は話をどう聴いているのか2―軽度発達障害の人の聴き方
1. 調査実験と分析の方法
2. 発達障害群に特異的な特徴
3. 事例検討
5. 考察―話の聴き方からみた軽度発達障害
第5章 臨床事例研究:軽度発達障害と対話的心理療法―聴けない話をしつづける老年期男性との心理療法プロセスの検討―
1. 事例の概要
2. 事例検討
3. 考察―軽度発達障害の話を聴くこと
第6章 対話的心理療法のこれから―軽度発達障害が照らし出す新しい枠組み
目次
序章 軽度発達障害と対話的心理療法
第1章 軽度発達障害のコミュニケーション―聴き方への着目
第2章 人は話をどう聴いているのか1―大学生の聴き方
第3章 軽度発達障害の基本的体験様式―ロールシャッハ・テストの分析
第4章 人は話をどう聴いているのか2―軽度発達障害の人の聴き方
第5章 臨床事例研究:軽度発達障害と対話的心理療法―聴けない話をしつづける老年期男性との心理療法プロセスの検討
第6章 心理療法における“聴く”行為―軽度発達障害の聴き方からみえてきたもの
終章 対話的心理療法の現状―主体なき現代社会
著者等紹介
畑中千紘[ハタナカチヒロ]
京都大学大学院教育学研究科博士課程研究指導認定退学。京都大学博士(教育学)。臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター特定研究員。専攻は臨床心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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