出版社内容情報
【解説】
知人の死を夢見た翌朝,その死亡の知らせを受ける等の“非因果的で意味のある偶然の一致”を〈共時性〉と呼んだ。この理論の生いたちや思想史的な先駆者達の思想等を解説。
内容説明
ユングの後期思想の中でも、現在大へん関心の高い共時性原理(シンクロニシティ)(意味のある偶然の一致現象を説明する非因果的連関の原理)について、ユングと共同研究した体験をもつ著者が、ユング自身の理論の生いたちを辿りつつ、その理解をより深めるために著した重要な1冊である。ティヤール・ド・シャルダンの「精神圏」とのかかわり、ユングと易をたてた経験、哲学的先駆者ライプニッツの「予定調和」説と古代道教の「道」の思想との対応、さらに元型的体験との密接な関係、アインシュタインの影響など、広い視野から詳細に考察する。
目次
1 多重的宇宙の解釈―ユングとティヤール・ド・シャルダン
2 共時性と科学と秘教
3 ユングと易をたてたこと―個人的経験
4 共時性の基礎
5 因果律と目的論を越えて
6 ライプニッツと道(タオ)
7 元型と時間の様式化
8 超心理的事象の共時的基礎
9共時性の働き
10 アインシュタインとより広い見解
11 共時性から超因果性へ