出版社内容情報
オリンパスソフトウェアテクノロジーが、“心の病”の社員の働きがいを取り戻すため、全社一体となって取り組んだ事例を紹介する。
多くの企業で増え続ける“心の病”をもつ社員。休職者・退職者の急増は経営上も大きな利益損失をもたらす深刻な問題となっている。オリンパスソフトウェアテクノロジー?鰍ナは、職場環境や古い企業体質が社員の活力を奪い、メンタルシックを増加させていることに注目。働きがいを取り戻し、安心して働ける職場環境を目指して全社一体となって様々な改善を実行し、離職者激減を実現している。本書ではその取り組み事例を紹介する。
「はじめに」にかえて
会社は何のためにあるの、社員にとって会社の意味は?
第1章 メンタルシックを生む土壌
1.信頼と安心を失った企業に着任
ソフトウェア子会社は夢がもてない
誰もトップに期待していない
メンバー同士の連携がない企業体質
2.現状把握と分析
メンタルシック対策と職場環境
O-Softの管理職
「困っていることは何?」。メンバー一人ひとりと話し始める
ソフトウェア開発とコミュニケーション
第2章 安心して働ける職場づくり
1.6つの課題と対応する施策
1.就業規則の課題と施策
●勤務時間選択制度
●ドレスコード
●給与規定、退職金規定
2.人事・評価制度の課題と施策
●売上評価から顧客評価へ
●マネージャーへのプロセス
●360度評価
3.開発環境の課題と施策
●オフィスの移転
●執務環境の一新
4.キャリアパスの課題と施策
●スキルナビ
●やり直し文化の醸成
5.個人スキルの課題と施策
●コミュニケーション促進の制度
1.コミュニケーションシート
2.コミュニケーションコンテスト
3.アサーショントレーニング
●問題解決力
●英語研修
6.企業文化の課題と施策
●O-Softプラザ(社内ポータル)
●クラブ活動の奨励
●キックオフミーティング
●メンタルケア相談室の設立
第3章 メンタルケア相談室の設立
1.メンタルケア相談室ができるまで
「メンタルシックは甘え」という考え方
継続的な専門チームを編成
ゴールは誰もが安心して職場に戻れること
2.予防とケアを重視する
メンタルケア相談室が重視する予防とケア
メンバー一人ひとりへのケア体制
「相談すれば道が開ける」というスキームづくり
早期発見につながるサインに注意する
家族へのサポート
O-Softファミリーホットライン
部門ミーティング
外部との連携
3.メンタルシック発覚からリハビリ、復帰まで
事例
【きっかけ】
1.上司からメンバーの勤怠に関する相談
2.定期面談などで、ストレスや不調の訴えがある
【面談】
1.目的
2.症状、状況の確認
3.ストレスの原因確認
4.面談時間
【メンタルケア相談室のアクション】
1.医療につなげる
2.診療中、休職中の対応
3.リハビリ出勤
4.復職
本人の不安と家族の被害感情をいかに解消するか
再設計できる環境づくりを重視
4.メンタルケア相談室の活動から見える有効な手立て
医療の限界―医師は社員の病気しか見えない
理論習得より実地から研究する
社員、職種に精通すること
メンタルシックを受け入れられない人に対して
さりげなく、はっきり伝える
5.寄せられた質問に対する答え(Q&A)
1.相談対応
2.予防
3.リハビリ出勤と復職
4.家族への対応
5.新型うつ病
6.今、思うこと
第4章 ソーシャルインを可能にする組織づくり
企業のあり方を見直す時代
体制改善の具体的施策
1.業務分掌規定の整備と開示の徹底
2.業務負荷の最適化と業務効率改善の徹底
3.専門チームの創設とフィードバック
メンバーの多様性を認めること/ダイバーシティーマネジメント
コミュニケーションに関する施策
コミュニケーションギャップを認識する
第5章「明るさを求めて、暗さを見ず」
信頼あるコミュニケーションがすべての基礎
笑顔で働くことが、世の中を明るくする
挫折体験を踏まえた改革
能力は点からの預かり物
仕事の失敗はたいしたことではない
21世紀型の企業のミッション
新しい時代を切り開くコミュニケーション
絵空事ではない、誰もが幸せになれる社会に向けて
「あとがき」にかえて
内容説明
働きがいと信頼がメンタルシックをなくす。3年半で130以上の施策を実施。休職者、ゼロ、復職率70%以上、自己都合退職ゼロ、を達成した企業改革のすべてを公開。
目次
第1章 メンタルシックを生む土壌(信頼と安心を失った企業に着任;現状把握と分析)
第2章 安心して働ける職場作り(就業規則の課題と施策;人事・評価制度の課題と施策;開発環境の課題と施策;キャリアパスの課題と施策;個人スキルの課題と施策;企業文化の課題と施策)
第3章 メンタルケア相談室の設立(メンタルケア相談室ができるまで;予防とケアを重視する;メンタルシック発症からリハビリ、復帰まで;メンタルケア相談室の活動から見える有効な手立て;寄せられた質問に対する答えQ&A)
第4章 ソーシャルインを可能にする組織作り(企業のあり方を見直す時代;体制改善の具体的施策;メンバーの多様性を認めること/ダイバーシティ・マネジメント;コミュニケーションに関する施策;コミュニケーションギャップを認識する)
第5章 「明るさを求めて暗さを見ず」(信頼あるコミュニケーションがすべての基礎;笑顔で働くことが、世の中を明るくする;挫折体験を踏まえた改革;能力は天からの授かり物;仕事の失敗は大したことではない;21世紀型の企業ミッション;新しい時代を切り開くコミュニケーション;絵空事ではない、誰もが幸せになれる社会に向けて)
著者等紹介
天野常彦[アマノツネヒコ]
オリンパスソフトウェアテクノロジー株式会社代表取締役社長。1977年から外資系コンピュータメーカー、大手システムインテグレーターにてシステム構築に従事し、その後外資系コンサルティングファームにて経営管理手法に関するコンサルティングを200社以上手がけ、05年にオリンパスグループに転職し、06年より現職。2010年からはオリンパスグループのグローバルSW戦略担当も兼務
小杉佳代子[コスギカヨコ]
オリンパスソフトウェアテクノロジー株式会社メンタルケア相談室室長。1990年に開発エンジニアとして新卒入社、その後社会保険労務士、産業カウンセラー等の資格を取得し経理、総務グループに異動。2008年のメンタルケア相談室発足メンバーとして、社員のメンタルヘルス活動に従事。現在では社員の昇格審査やメンタル強化の研修企画などにも参画している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。