創元こころ文庫<br> より道 わき道 散歩道―河合隼雄セレクション

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創元こころ文庫
より道 わき道 散歩道―河合隼雄セレクション

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  • サイズ A6判/ページ数 265p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784422000558
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0111

出版社内容情報

子ども、人間関係、人生、本、音楽、文化・社会、道草の拾いもの、の7つのテーマで思索の散歩を楽しむ、格好の1冊。

毎日新聞に毎月1回、2年間にわたって連載された「より道わき道散歩道」シリーズに、これまで新聞・雑誌・官報などに書いた文章をあわせて、1冊に編集しなおした同名のエッセイ集の文庫版。子ども、人間関係、人生、本、音楽、文化・社会、道草の拾いもの、と7つのテーマに分けて、より道したり、わき道にはいったり、適当に道草をかさねながら、思索の散歩を楽しむための格好の1冊。文庫版巻末解説は、作家・編集者の松家仁之氏。

まえがき

I 子ども
三年寝姫/ほんとうに怖いのは誰か/夏休みの宿題/心と心が通じる体験/私の長所/「甘え」の大切さ/思春期の怖さ/「わかること」と「わからぬこと」

II 人間関係
「怒り」の意味/長期休暇のすすめ/井戸端会議/素晴らしい王朝時代の男女関係/先住民の知恵/男と女に「永遠の愛」は成立するか

III 人生
「心」を甘く見すぎぬように/心の病のもつ意味/必ずよくなる/ふたつの失敗/いつ泣けるか/女性の生き方/「さあ、やるぞ」/日本人の宗教性/オカルト・ブームの裏側/「我身にたどる」/ボクの個人主義はこれや/ケルトのおはなし

IV 本
木に登る豚/海外での『源氏物語』フィーバー/司馬遼太郎『花神』/芹沢光治良『教祖様』/竹宮惠子『風と木の詩』/グリム童話はなぜ読まれるのか
/グリム童話「ラプンツェル」/現代人の生き方のヒント/『源氏』というシンフォニー/「待て、しかして希望せよ」/スイスで出あった日本神話/東洋と西洋が切り結ぶ場

V 音楽
バッハと私/一枚のCD/童謡三題/音と心/児童文化と音楽の響鳴/目に見えない形/物語のなかの音楽

VI 文化・社会
日本文化と羊の話/ITとit/“のんき型”ボランティアのすすめ/新しい市民大学のあり方/二十一世紀の日本人/多心論/日本人としてのアイデンティティ/日本の心と文化

VII 道草の拾いもの
エラノス会議に出席して/現代人とマンダラ/私の夢分析/使うほど豊かになる心/目に見えないもの/爪切り/いのちに触れる/私の養生術/ナバホ国への旅/謎とき大好き/父の思い出/夕焼小焼

解説
シリーズ刊行によせて
初出一覧

【著者紹介】
一九二八年、兵庫県生まれ。京都大学教育学博士。京都大学名誉教授。元・文化庁長官。一九五九年にアメリカへ留学。一九六二年にスイスのユング研究所に留学し、日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。一九六五年に帰国後、京都大学教育学部で臨床心理学を教えるかたわら、ユングの分析心理学を日本に紹介し、その発展に寄与。一九九二年、京都大学を退官。一九九五年、国際日本文化研究センター所長、二〇〇二年、第一六代文化庁長官に就任。著書に『ユング心理学入門』『昔話と日本人の心』『明恵 夢を生きる』『河合隼雄著作集(全一四巻)』ほか多数がある。二〇〇七年七月一九日、逝去。

内容説明

新聞・雑誌・官報などに著者が書いた文章を、一冊に編集しなおしたエッセイ集。「子ども」「人間関係」「人生」「本」「音楽」「文化・社会」等々、テーマ別に、より道したり、わき道に入ったり、あちこち道草をかさねながら、著者と共にひとときの思索の散歩を楽しみたい方にぜひお薦めしたい。

目次

1 子ども
2 人間関係
3 人生
4 本
5 音楽
6 文化・社会
7 道草の拾いもの

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年~2007年。兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。臨床心理学者。京都大学名誉教授。1962年にスイスのユング研究所に留学し、日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。帰国後、京都大学教育学部で臨床心理学を教えるかたわら、ユングの分析心理学を日本に紹介し、その発展と確立に寄与。1995年、国際日本文化研究センター所長、2002年、第一六代文化庁長官に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しげ

70
少し古い本、小泉元首相が在任中に民間から文化庁長官に登用されていた河合氏、毎日新聞や雑誌に掲載されたコラムの編纂本です。リアルタイムで拝読した記憶はありませんでしたが、つくづく小泉さんのブレーンは人脈が豊かと再認識しました。心理学者さんなので所々難しい表現も語られますが魂の有りかや、人間関係(男女含む)の考え方など勉強になりました。政権の功罪は意見の分かれる所ですが、あの当時、失策も自らの言葉で語られる小泉さんには納得させる魅力を感じたものです。2023/02/04

きょちょ

20
河合先生の本を読むといつも心が洗われる私。 すぐ「汚れる」ので、定期的に先生の本を読んで自身を洗濯せねば(笑)。 読みたくなった本は、円地文子の「妖」と井筒俊彦「意識と本質」。 今回最も興味関心を持ったのは、「源氏物語」についてのところ。 「源氏物語」は、光源氏の物語として読むのではなく、紫式部自身の「ありたい自分」を描いている所があるので、総じて紫式部自身の物語として読んだらどうかということと、これは河合先生でなく外国の女性が語ったそうだが、紫式部は「抑うつ症」ではないかということ。 ★★★★2017/08/28

ばんだねいっぺい

19
ー男の中にも、女の中にも、それぞれ男と女がいて、付き合うときは男女四人で付き合うようなものって一文に膝を打たずには、いられなかったー。2016/07/24

shiman

10
「約束された場所で」から続けて読んだので、勢い「教祖様」「クオヴァデス」「出家とその弟子」とを読みたい本に。果たして実際に読む日がくるのか・・・2018/12/15

roughfractus02

8
本書は65編の新聞掲載エッセイのアンソロジーだが、7つのテーマに分かれた短編を読むと、臨床家の優しい筆致の余白に数多くの困難な臨床体験が垣間見られる。著者は「わかる」ということが解決ではなく、その後の関係を損ね、悪影響をもたらす契機になっただろう経験を経ていると感じられる。臨床の困難は、意識レベルでの「わかる」ではなく無意識の「わからない」ところをどう変えていくのかにある。ここから著者は意識を迂回するようにして、近代科学の意識中心主義がもたらした社会の歪みが露呈する1981-2001年の世界の動向を見る。2023/02/26

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