目次
第1章 精神医学史の特徴
第2章 近代精神医学の成立―革命と精神医学
第3章 薬物療法と生物学的精神医学
第4章 精神療法と心理学的精神医学
第5章 精神医学と優生学
第6章 近代日本の精神医学
第7章 「安楽死」と精神医学
第8章 戦争と精神医学
第9章 反精神医学の歴史
終章 歴史と精神医学
著者等紹介
小俣和一郎[オマタワイチロウ]
医師、医学博士、精神医学史家。1950年東京都生まれ。1975年岩手医科大学医学部卒業、同年国立医療センター(現・国立国際医療センター)内科研修医、1976年名古屋市立大学医学部大学院入学(臨床精神医学専攻)、1980年同修了(医学博士)。1981‐83年ドイツ連邦共和国給費留学生(ミュンヘン大学精神病院)。1986年医療法人財団・大富士病院(静岡県)副院長。1990‐2015年上野メンタル・クリニック(東京都)院長。2002-2006年東京保険医協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobu
1
旧優生保護法と精神医学の関係を調べる中で、手にとった書物である。近代精神医学は主に欧州で発展してきたが、その背景に欧州の思想の流れが背景にあることを説明。それは古代ギリシア時代にも遡るが、それはさておき、その思想的流れが精神医学の生物学的流れと心理学的流れに影響していることを説明されている。優生学との関係ではナチスへの精神医学の関わりが著述されているのは著者ならでは。反精神医学に関しても、客観性を保ちながら述べられているのは読み応えがある。現代に通じる精神医学の歴史を知るには一読の価値があると思った。2021/05/31