医療・合理性・経験―バイロン・グッドの医療人類学講義

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  • サイズ A5判/ページ数 411p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784414428568
  • NDC分類 490
  • Cコード C3047

内容説明

モーガン記念講義をもとにしてバイロン・グッドが著した本書は、医療人類学の四半世紀の流れを俯瞰するものであり、その多様な試みと可能性、そして限界までをも考察しようとするものである。著者は、生物医学に収斂するかに見える今日の医学・医療を徹底して疑い、意味を中心とするアプローチ、病いの再現=表象理論、批判的現象学、そして物語論、読者反応論などを駆使しながら、医療や病いを、社会的・文化的・美学的文脈から、異言語混淆的なものとして描き出そうとする。病いや患うことの意味を徹底して問おうとする本書は、批判的思考はもちろん、豊かな臨床知の鉱脈であり、21世紀に架橋するこの分野の記念碑的な著作である。

目次

第1章 医療人類学と信念の問題
第2章 医療人類学における病いの再現=表象―この分野へのひとつの見解
第3章 医学はいかにしてその対象を構成するか
第4章 症候学=記号学と医学的現実の研究
第5章 身体・病いの経験・生活世界―慢性の痛みの現象学的記述
第6章 病いの物語的再現=表象
第7章 美学・合理性・医療人類学

著者等紹介

グッド,バイロン・J.[グッド,バイロンJ.][Good,Byron J.]
1944~。イリノイ州ラントゥール生まれ。現在、ハーヴァード大学医学部社会医学科主任教授代行を務め、同大学人類学科でも教鞭をとる医療人類学者。アーサー・クラインマンやメアリー=ジョー・グッドとともに、医療人類学の草分けとして、あらゆる理論的、実践的問題に関わり、この分野の最先端で影響を与え続けている

江口重幸[エグチシゲユキ]
1951年東京生まれ。1977年東京大学医学部医学科卒業。現在、東京武蔵野病院精神科

五木田紳[ゴキタシン]
1956年千葉生まれ。1979年東京大学経済学部経済学科卒業。1986年東京大学医学部医学科卒業。現在、池の里クリニック

下地明友[シモジアキトモ]
1947年沖縄宮古島生まれ。1973年熊本大学医学部卒業。現在、熊本大学医学部神経精神医学教室

大月康義[オオツキヤスヨシ]
1952年北海道生まれ。1976年北海道大学理学部数学科卒業。1984年札幌医科大学卒業。現在、大月クリニック

三脇康生[ミワキヤスオ]
1963年兵庫県生まれ。1988年京都大学文学部哲学科美学美術史専攻卒業。1995年京都大学医学部卒業。1998年パリ第一大学人文学部大学院科学哲学科DEA課程修了。2000年京都大学大学院医学研究科博士課程社会医学専攻修了。現在京都大学医学部公衆衛生学教室
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