内容説明
本書では、人が生きるにあたって使う二つのシステム、“感覚システム”と“解釈システム”について語られる。人は成長過程において“解釈システム”を重要視して“感覚システム”を根絶やしにしてきた。自閉症の人びとは“感覚システム”を失っていない人びとである。彼らの在り方こそが社会を荒廃から救い、再生へと向かわせる道標になるだろう。“感覚”と“解釈”の両システムを調和させ、よく使い分けられることが社会生活の真の豊かさにつながり、その実現に最も重要な役割を果たすのが、藝術行為であることが説かれる。
目次
起源
私は誰?
「社会性」の本質
何もないものみな
感覚の成り立ち(メカニクス)
共振について
答える機会を自らに与えること
「賢さ」を得ること
「亡霊を見ること」
戦争か成長か
戯れ言と理念
進歩なのか
文化交流を超えて
多様性
心霊能力者?
なぜ誰も話さないのか
想像
著者等紹介
ウィリアムズ,ドナ[ウィリアムズ,ドナ][Williams,Donna]
1963年にオーストラリアに生まれる。当時の多くの自閉症者と同じように、大人になって自閉症と診断された。自伝的作品『自閉症だった私へ』(Nobody Nowhere:新潮社)は世界で初めて自閉症者の世界を内側から描いた本として世界的ベストセラーとなった
川手鷹彦[カワテタカヒコ]
演出家。言語テラポイント。1957年東京生まれ。1989年スイスの「ゲーテアヌム演劇学校」卒業後、ゲーテアヌム舞台アンサンブル加入。1991年ドイツの治療教育施設「ハウス・アーリルド」で、自閉症・ダウン症・非行等の子どもの藝術教育・言語テラピーに携わる。1993年帰国。藝術・言語テラピー研究所「青い丘」設立。1996年母と子の学びの場「まるめろの木」開設。2000年~法務省保護局の依頼による演劇プロジェクト「オイディプス王」を総指揮、演出するなど各地で少年少女のための演劇塾を展開。2001年沖縄に治療教育研究所「うーじぬふぁー」設立。2002年東京で心の保護を求める子どもの専門クラス「蝶の羽」開始。現在、藝術・言語テラピー研究所「青い丘」および治療教育研究所「うーじぬふぁー」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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