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内容説明
僕が自分で考えて、こういうふうにやってごまかしておこうか、まあこれでいいことにするか、というふうにできるだけ心がけていることがひとつだけあります。それは、つらいとか苦しいとか、あるいは逆に今日は調子がいいとか、いいことがあったとかいう、禍福といいましょうか、幸・不幸といいましょうか、それを長い周期で考えないようにすることです。―超・老齢期のただ中にある著者が、「老い」や「死」、「家族」や「教育」の問題について縦横に語り尽くした、初の幸福論。
目次
1章 こきざみの幸福に気づく―超・老齢化社会への心構え
2章 知識より叡智が大事―吉本隆明流・老年からの勉強法
3章 家庭内離婚もいいかもしれない―変容しつづける家族を生きる
4章 我が子の罪の償い方―親の責任について考える
5章 老親問題も育児問題も一緒―制度としての介護、実感としての介護
6章 ガタがきた体とつき合う―老齢期に入ってからの健康法
7章 死を迎える心の準備なんてない―死を語ることの無駄について
著者等紹介
吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年東京生まれ。詩人、思想家、評論家。東京工業大学工学部を卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動を続ける。日本の戦後思想に大きな影響を与え、文学や芸術だけでなく、政治、経済、宗教からサブカルチャーに至るまで、あらゆる事象を扱う「知」の巨人である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
51
人間の幸不幸はごく短い期間で考えればいい、時間を細かく刻んでその都度気分がよければ幸福、悪い気分であれば不幸、確かに長いスパーンで考えなくてもいいかもしれない。2014/09/22
ichiro-k
13
良くいえば「達観した」人物、悪くいえば「居直った」人物、という印象の内容。本文で著者は「親鸞」に共感を覚えているらしいが、確かに宗教(説教)臭い部分が多々あり。まさに、ウィトゲンシュタインの「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」という形而上学的(価値的)問題じゃないの・・・?だから、これが正しいとか、間違っているとか判断はできない。著者はそっちのセカイでは高名な人物だったが、自分には「片腹痛い」2011/04/19
4610tosan
4
本屋でヒラ積みされていたので衝動買いしました。話したことを起こしたらしく繰り返しや飛躍も多いのですが、あの語り口を彷彿とさせる書きぶりでした。流石に昔のようにどきりとすることは少なくなりましたが、石のように腹に堪える内容だと思います。唯物論者の「自然」観と親鸞の内省力、宮沢賢治が追い求めた世界、そして「みなさんはどうだろうか。」吉本さんの声の調子が響いてきそうです。2012/04/03
歩
2
吉本隆明氏、76歳の時の本。話し言葉で書いてあったので、大変読みやすかった。 共感できる部分そうでない部分があるにしろ、この年齢でここまで「考え詰める」ことができるものなのかと、半ば驚嘆。平易な言葉を使っているし、普遍的に語っているとも思えないのに、ひとりよがりには聞こえない。 吉本隆明、さすが。2011/07/29
不動 明
2
一番印象に残ったのは極真dis! 私は昔極真空手を習っていたので あの頃は100人組手は神の様な人間がやるものだと思っていたが、吉本氏に言わせたらあんな事が強さではない!とバッサリ。大山倍達や梶原一騎が亡くなっていて助かったのでは?と思ってしまった。現在は私も吉本氏に同感。極真空手や大山倍達本には馬鹿だったから間違った方向に行ってしまった私の青春、まあ仕方ないです。2011/04/29