悪の民主主義―民主主義原論

悪の民主主義―民主主義原論

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784413030854
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0031

内容説明

本書は、「自由」「平等」「人権」「議会」などの歴史から説きおこし、それらが、当初のものとは正反対のものに逆転した経緯を論じて、デモクラシー(民主主義と民主政治)の理解を徹底しようとした。

目次

第1章 戦後民主主義がもたらした現代の惨禍―「腐朽官僚制」「無目的殺人」「汚職社会」を引き起こした虚偽
第2章 強制された民主主義教育の贋の部分―アメリカ教育の要にあって日本の教育に欠如していた思想とは
第3章 民主主義を知るには「予定説」を識るべし―「アメリカ独立宣言」の裏にある宗教的世界観
第4章 「自由」と「平等」の大いなる誤解―ジョン・ロックの思想を知らずしてデモクラシーを語るなかれ
第5章 日本の議会政治が死に至ったこの致命的選択―知られざる日本の議会制、その戦前・戦後史
第6章 身分制度が生んだ議会政治―民主主義と議会政治が結びついた意外なる鍵
第7章 民主主義の歴史の急所―アメリカ・デモクラシーとなるまでの「奴隷制」という原罪

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

147
一言でいって日本の民主主義がいかにダメなのかを論じた1冊。「日本民主主義は名ばかりであり似非民主主義である」といった趣旨が本書の骨子になっている。その実、政・官・財の三者(マスコミを含めると四者)が一体となって、国益(彼らの利益)を守ることに腐心する官僚主導の社会主義の国であると弾劾する。この結論に至るまでに”そもそも民主主義とは何なのか?”から始まっているので、本来ならば本書のくらいの頁数では完全に足りない(おそらく数千頁は必要ではないかと思う)ので、かなり内容が濃い。2016/03/28

Masakiya

9
その1.「自由討議」を定めた国会法第七十八条が、昭和三十年の改正で削除されたことが日本の議会制民主政治の死であると著者は喝破する。日本の民主政治が、言葉による質的な議論ではなく、政党政治という錦の御旗に隠された多数決という形式主義に陥った瞬間である。というより、七十八条が形骸化し削除されてしまったということは、もともと日本人には民主政治を使いこなせなかったということかと思う。民主主義的な討論を可能にする質の高い代議士を選出できていないことも、日本人が民主主義を使いこなす段階にまだきていないということの証左2015/11/16

九曜紋

8
再読本。1997年初版。初読時、著者の論理展開に(おそらく)着いていけず、四半世紀寝かせたうえでの再挑戦。政治、経済、宗教、歴史等々、広範な知識のうえに築かれた本書はいまだに手強く、苦戦した。どんな感想を書いても陳腐なものしか書けない気がするので、記録だけを残すこととする。2022/03/06

がんぞ

6
思想的に民主主義は決定説(神があらかじめ救済されるべき者を決定しているというプロテスタントの信念)に由来する。政治史ではアメリカ合衆国は独立戦争American Revolutionによって英国から独立したとするが、独立宣言にある「自由」「平等」は名誉革命の思想的指導者ジョン・ロック首唱であり、成文憲法で人間の自然権を謳うのは清教徒革命の前例に習う。デモクラシーの伝統を英国からバトンタッチされたと言える。ただし奴隷制を容認したことは原罪となった/あと戦前の日本の帝国議会の討論の検討から民主主義を創る苦しみ2014/12/20

kasazo

3
現在のアメリカから輸入された民主主義に於いて、自由、平等、人権、議会の意味が誤用されており、本来の意味を歴史的に追いながら興味深く、読みやすく民主主義、民主政治の理解が深まるようになっています。同じ著者の憲法原論よりも踏み入った形で民主主義について書かれています。民主主義に完成は未だなく、常に民主主義を求めるところに民主主義があると言う教育をしなければ日本は民主主義の国になれないと痛感します。自動車をもらって、エンジンを掛けずにハンドルをにぎっただけで自動車を運転していると勘違いしている…そんな日本の民主2011/10/13

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