貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784409240847
  • NDC分類 364
  • Cコード C0036

内容説明

格差、貧困、福祉、労働…、いま日本において緊急かつ最重要の問題をめぐる、ベテランと新鋭、二人の経済学者による白熱の対話。徹底した議論の先に見える未来とは何か。

目次

第1章 格差問題と経済学(近年の格差社会;最適課税論;経済政策の転換;ネオリベラリズム;ケインズの経済学;新古典派の経済学;絶対的貧困と相対的貧困)
第2章 福祉と制度の経済思想1(北欧の社会福祉;同一労働同一賃金;社会保障;児童扶養手当;女性の労働;年金制度)
第3章 福祉と制度の経済思想2(日本の社会保障制度;年金税方式反対論;年金と生活保護;医療保険;雇用保険;介護保険)
第4章 ベーシック・インカム(ベーシック・インカムの基礎;ベーシック・インカムの導入 ;ベーシック・インカムの財源;現状との比較;ねじれ現象;実現の可能性)

著者等紹介

橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年、兵庫県生。ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了。京都大学教授を経て、2007年より、同志社大学経済学部教授。この間、英米仏独で教授職、研究職を歴任。元日本経済学会会長

山森亮[ヤマモリトオル]
1970年、神奈川県生。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京都立大学、ケンブリッジ大学研究員などを経て、同志社大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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佐藤一臣

8
累進課税の最高税率を上げて、BIや福祉に回そうとすれば、低税国への移住が増えるのだろうか?最適課税論という経済活性しながら公平分配する税の在り方というのがあるそうだ。レーガン・サッチャー時代の新自由主義は人種差別を上手く使ったようだ。合理的期待形成学がケインズ理論に取って代わられた時期でもある。生活保護基準が相対的貧困を基準にしていて絶対的貧困はもうないという考え方があるのは確かにおかしい。産業転換を伴わないワークフェアはムチばかりになってしまって労働者には厳しい。山森氏はBIの理念の浸透がカギとみている2023/04/13

くらーく

2
不平等論の延長だけど、BIで貧困を救う考え方に同意できるかどうか。 個人的には仕組みが簡単なBIは賛成だけどね。 貧困を救うには、社会保障が必要な状況を判定、判断する手間暇より、全員に配布する方が良いと思うけどな。 それでも、足りないという場合は。。。救いようがないと切り捨てるわけにはいかないけど。 2017/03/18

hgwReo

2
ベーシックインカムは全員に一律というのが大雑把なようだけれど、その平等性に望みがあると思った。本書で山森氏が述べておいでのように、日本では「働ける人と働けない人の区別に失敗」してきており「生存権というのは条件付き」であり、社会保障制度で救われるのはちゃんと保険料を払う善い人や自身を福祉の枠に合わせてアピールできる要領のいい人に限られて、条件にあてはまれない人は助けられていないから。人の目による人の区別が社会保障の基となっては、公正を達成するのはどうしても難しいのだ。2012/10/14

ksk1975

1
個人的に対談形式の本は苦手。これを読んで余計そう感じてしまった。意見がもっと真っ向から対立していれば分かりやすいんだけど、結局どちらも都合のいい所を認め合ってて悪く言うと馴れ合いな印象。タイトル見て感じた『BI or 社会保障改革 という対立軸があるの?』の疑問(この疑問がこの本を手に取った理由だった)は解消されず。ともあれ理想論も大事だけど、現状とのギャップをどう埋めるのか、具体的にどうするのかっていう切り込みが欲しかった。自分としてはちと消化不良。あるゼミでの一コマ、だったら違った印象で読めたかも。2012/03/19

Keita Suwamoto

0
年に1度の同窓会ゼミ、2016年の課題本。いやー、面白かった。最後の章が一番面白くて、当日までに全部読んでおけばよかったと後悔。 BIなんて夢想だと正直思ってたんだけど、理念として、なかなか説得力を持ってる部分もあるなぁ、というのが正直な感想。うまく制度設計する必要は当然あるし、今の日本では制度導入出来そうな気もしないけど、研究、検討するに十分値するものだと思う。2016/10/29

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