出版社内容情報
構造主義/ポスト構造主義の理論を丹念に分析し、その先に豊穣な可能性を見出す、気鋭による圧倒的達成。
内容説明
「権力」はあまりに強靱かつ精緻に作動している。果たして、そこに抵抗の契機はあるのか。構造主義/ポスト構造主義の理論を丹念に分析し、その先に豊穣な可能性を見出す、気鋭による圧倒的達成。エティエンヌ・バリバールによる解説を付す。
目次
第1部 場所論と経済論(場所論1;経済論;場所論2、あるいは異種混交性の思考)
第2部 構造の生成変化(死の欲動、偶然性、抵抗;イデオロギー;構造;抵抗とは何か)
著者等紹介
佐藤嘉幸[サトウヨシユキ]
1971年京都府生れ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了後、パリ第十大学にて博士号(哲学)取得。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じょに
7
再読。一言でまとめるなら「ポスト構造主義」とは?スタティックな権力=構造に対する抵抗の戦略とは何か。フーコーとドゥルーズは主体を生成変化させることを目指したのに対し、アルチュセールとデリダは必然性の中に偶然性を見出し介入させることを目指した。そしてそれらに通底するのはフロイト=ラカンの運命論的な精神分析への抵抗。アカン。全然文字数たらん。2009/04/26
アルゴス
5
すでに論じつくされた感のあるフーコー、ドゥルーズ、デリダ、アルチュセールのテクストを抵抗という観点から読み解く。とくにラカンの理論のへの批判を軸としたデリダとアルチュセールの分析が読み応えがある。★★★☆2018/01/01
レートー・タト
4
再読。ポスト構造主義者(主に副題についている人々)について、入門書を探しているという人にとってはうってつけ。既に彼らの専門書を既読している人にとっては物足りないかも知れないが、「抵抗」をキーワードに綺麗に整理されているので、自分の思考の整理には役立つ。ただ、ポスト構造主義者において通底している部分を論じるともなれば、それは主体/客体、存在/生成などの問題に帰結されるところについて明解にするということになるので、「当たり前のこと」にならざるを得ない。しかし当たり前のことほど当たり前でないのが現状なのである。2010/11/04
madofrapunzel
3
★★★★★ これは現代思想になじみのある人にとっては必読本! 第一部では、フーコーの権力論とその限界、ドゥルーズの抵抗論、そしてフーコーの転回がとても分かりやすく述べられています。とてもスッキリしました。2013/04/30
秦野弘之
2
「抵抗」をキーワードに有名どこを綺麗に整理。よい本でした。2010/05/11