「負け組」の哲学

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  • サイズ A5判/ページ数 194p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784409040799
  • NDC分類 304
  • Cコード C1010

目次

1 八月テーゼ―弱さと強さ
2 配分的正義を―死の配分と財の配分
3 無力な者に(代わって)訴える
4 残された者―民主制の内包と外延
5 自爆する子の前で哲学は可能か―あるいは、デリダの哲学は可能か?
6 贖罪の時
7 知から信へ
8 不自由を解消しない自由
9 無神論者の宗教性
終章 資本のコミュニズム

著者等紹介

小泉義之[コイズミヨシユキ]
1954年、札幌市生れ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授(哲学・倫理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

28
「負け組」の哲学。小泉義之先生の著書。負け組だとか勝ち組だとか他人の評価を気にしていても幸せになれない。自分が幸せと感じられれば、それは負け組ではなくて勝ち組なのです。学歴や職歴、資産や家族、恋人の有無で勝ち負けを争ったり他人を高飛車に見下したり反対に嫉妬したりなんて本当にくだらないこと。2018/09/28

oz

10
初読。ネオリベ的資本主義は不断にアンダークラスを生み出しつつそれらをデファクトスタンダード的に排除する。正義や愛情は閉じられた共同体を再生産し続けるから、闘争は常に抑圧者の側に勝利が約束されている。政治学や経済学は理論モデルのために対象となる主体を設定し、そこからあぶれる人間については無視せざるを得ない。本書はそうして排除されたアンダークラスのエクリチュールだ。良識派・多数派の怒りに対する逆ギレの書だ。彼らはアパシーであらゆる善良さを嫌う。しかしそれが逆説的に真の道徳を実践している可能性があるのだ。2011/11/10

耳クソ

4
聖書。2021/01/23

hinapupil

3
 終章 資本のコミュニズムにおいて、先進諸国が採用している福祉資本主義によって社会主義は成就しているという思潮は新鮮だった。筆者は今の資本の社会主義や資本のコミュニズムを乗り越え共産主義へ至る必要性を説く。運動としての共産主義として贈与論の遂行をその萌芽としている。また、Ⅸ 無神論者の宗教性-わたしが必要だと思う運動-において具体的な運動が列挙されているのも良かった。  筆者は徹底的にアンダークラス‪——‬排除されている者たち、働けない、働きたくない者たち‪——‬の側に立っており、そこに強い共感を持った。2020/02/11

1_k

3
この先生、「なぜ人を殺してはいけないか」論争にて、ロジカルでエッジのきいた論を繰り出す永井均先生に対して、終始情緒的な事しか言わなかったあんまり哲学者っぽくない人、ぐらいの認識でしたが。この本を読んで認識が一変。のっけからサヨク系の強烈な電波全開で、頭がくらくらしてくる。新興宗教の配布している妙な小冊子レベル、あるいはサバ缶を食べようとしたら、実はシュールストレミングだった、ぐらいのパンチ。ある意味、徹底していて尊敬はできる。「小泉教」とでも呼ぶべき主観的な話なので、正しいとか正しくないとかではない。2013/02/03

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