内容説明
実体的な文化概念の解体のあと、私たちはいまどこにいるのか。内/外なる絶対的な他者の驚異をまえに、並置と混淆に賭けた20世紀思想史の閃光。海外からの寄稿者を含む、文学、文化人類学、美学の気鋭執筆陣、対象への愛の強度が支える白熱する共同研究。
目次
1 記号・他者・身体(マルセル・モースにおける現実と超現実―シュルレアリスムへ向けた人類学からのいくつかの断片;レヴィ=ストロースとブルトンの記号理論―浮遊するシニフィアンとアウラを帯びたシニフィアン ほか)
2 テクストと読解(クレオールの対話;マルティニク島、エグゾティスムにおいてシュルレアリスム的な ほか)
3 表現者とフィールド(郷土への回帰―ラム、カブレーラ、カルペンティエルと黒人の呪術;バンジャマン・ペレのプリミティヴィスム ほか)
4 驚異・他者・歴史(贈与と驚異―『ナジャ』論;しなやかにローカルであること―ジュリアン・グラックと人文地理学 ほか)
著者等紹介
真島一郎[マジマイチロウ]
1962年生。東京大学大学院博士課程単位取得退学。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教授、国立コートディヴォワール大学民族=社会学研究所客員研究員。文化人類学。Cultures sonores d’Afrique(共著、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、1997)、『岩波講座文化人類学9 儀礼とパフォーマンス』(共著、岩波書店、1998)、『植民地経験』(共著、人文書院、1999)、『現代アフリカの紛争』(共著、アジア経済研究所、2000)、W・ルービン編『20世紀美術におけるプリミティヴィズム(I・II)』(日本語版監修・共訳、淡交社、1995)など
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