出版社内容情報
日本を破綻に導く犯罪組織と、それを食い止めようとする首相秘書官と警察。殺人事件が絡み合い捜査は混迷を極める。一気読み必至
内容説明
新宿歌舞伎町の外れで、金融ヤクザが金髪男にメッタ刺しにされた。被害者の財布に残された、手書きで綴られた数字のメモ。総理事務秘書官と警視庁捜査一課刑事が事件を追う。ゴールデン街の名物ママの死、金融庁審議官の沖縄宮古島での失踪、日本を地獄に落とす株価瞬間暴落、幾重にも張られた罠…。凍りついた目をもつ男の真の目的とは。戦慄と衝撃のラスト!
著者等紹介
相場英雄[アイバヒデオ]
1967年、新潟県生まれ。専門学校卒業後、時事通信社へ。経済部記者を務める。2005年、『デフォルト債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あすなろ
98
金融テロや殺人や東日本大震災を織り込んだ300頁。読ませるんだけど、一味足らぬ感が強い。シーンが飛ぶ感じがしたから、盛り込み過ぎなのか?この後の作品が、あの不発弾なので、その過程での作品と捉えればストンと落ちるか?落ちるのである。そしてそれは、不発弾と同じ感想なのだが、もう100頁欲しいところ。そうしたら、盛り込み過ぎ感や結末の物足りなさが減るであろう。だからガラパコスは良かった。でも、読み応えある作品。この作品も、やはり相葉氏しか描けぬだろう。そして、棄民という言葉を考えさせられました。2017/10/22
Tsuyoshi
81
明らかに安部内閣をモデルにしたであろう長期政権をターゲットにした殺人や金融テロを引き起こした主犯格の矢吹と仲間達。その背景には東日本大震災後、遅々として進まない復興政策や被災地民への冷遇を表沙汰にせずひたすら政権維持のために奔走する政権への私怨があったという話。実際の政権においてもおごりが見え隠れする状況でアベノミクス自体成果が出せなかったら本作以上のテロ行為も起こりつつあるかもしれないと思うと何だか恐ろしくリアリティーを感じながら読めた。2018/05/04
アッシュ姉
75
単行本『鋼の綻び』からの改題。相場さんのたぎる想いが詰まった渾身作。仕掛ける側も追う側も頭脳明晰でどちらが先に目的を達するのか最後まで予想がつかず、迎えた結末に唸った。これはぜひあの方に読んで欲しい。2018/05/31
ナミのママ
64
『鋼の綻び』改題。適度な厚さ、大き目の文字、そして好きな作家さん、持ち歩きに最適と選んだら、思ったとおりの読みやすさでした。歌舞伎町でヤクザがメッタ刺しにされたところから始まり、政府も絡んで大きなスケールになっていきます。でも最近の作者のずっしり重い作品ではなく、あまり考えずにストーリーだけを楽しめます。強いていうなら、深みよりスピードという感じでしょうか。これはこれで良かったです。2017/06/01
はつばあば
57
初っ端から失礼します。皆さんこれ読んでと。私達本気で東京五輪を応援してます?本来なら東北復興が先でしょう。それでなくても災害につぐ災害で国民はヨレヨレ。鼻息の荒いのは五輪誘致の元ソウリと現総理。各競技にもセクハラパワハラと問題が噴出。大人しく泣き寝入りしているのは東北の・・福島の方々。それでなくても太陽光発電を無視したような原発優先。昔「♪え~ちゃんの家にジェット機が堕ちたらきっと後悔するだろう」と練り歩いたものだが、今じゃ「♪アベちゃんの家に原発があったら・・」景気景気ったって思うようになってないよね。2018/10/23