内容説明
大手精密部品メーカー経理課員の轢き逃げ死、失踪、横領疑惑…。単身赴任先で会社員としての意義を見失いつつあった井川國雄は、偶発した事件の陰に潜む大企業の恐るべき暗部を察知した。一介の出向社員として飛ばされた井川は、志を同じくする冷飯社員を糾合して乾坤一擲の戦いに挑む。組織に埋没した男たちの絶望的な戦いに勝機はあるのか。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県生まれ。10年にわたるホテル勤務を経て、69年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞、73年『腐蝕の構造』で第26回日本推理作家協会賞を受賞。『人間の証明』や棟居刑事シリーズなどで人気を博す。近年は歴史・時代小説などにも活躍の幅を広げ、著書は370作を超す。2003年には第7回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanlay
10
物語の設定は面白かったのですが、ストーリーの進め方がちょっと無理やりな感じ。後半に急展開し過ぎで、前半が間延びした感が残念でした。2016/02/22
toshi
3
「虚構に浸る心地よさ」を感じました。久々に読んだ小説。日々忙しくてなかなか小説を読めずにいましたが、私が尊敬する方から「森村誠一はいいよ」と言われたので読んでみました。冒頭にも書いたように小説って「虚構」ですよね。ですが、どこかで真実の一面を捉えている部分ってある気がします。個人的には面白かったです。2012/02/07
koguma
1
初めて読んだ森村作品。たくさんあるのに何でだろ。 さすがにベテランだけあって手堅くまとまっているものの、ディテイルがアバウトだったり、設定に無理があったり、でストーリー以外の部分でもいまひとつ現実味が感じられないところが残念。著者は登場人物に共感を覚えているのだろうか。 2011/06/05