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いつもそばにいるよ

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  • サイズ A5判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408535425
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

黄泉の国から帰って来た「僕」は誰にも姿が見えない。遺された家族の今後を思い、建設会社の談合態勢も阻止しなくては。幽霊となって東奔西走(?)する「僕」の生きていた証とは何なのか。全てのサラリーマンに問う、家族と企業の物語。

著者等紹介

江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部卒後、旧第一勧銀に入行。広報部次長として総会屋利益供与事件の混乱収拾に尽力。在職中の02年に『非情銀行』(新潮社)でデビュー。03年、みずほ銀行退職後執筆に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tsuyoshi

67
会社のビルより転落し、自殺と判断されたサラリーマンの主人公の目線を通して労災認定のため奮闘する妻や告発するはずだった談合問題の行方を見守っていく展開。主人公が最初から死んでいるという異質な設定ながらも中身は勧善懲悪的なストーリーで読みやすかった。現実的には出世や生活のために自分を殺して暗部にも目を瞑る事が多いだろうだけに、会社を正すために尽力した主人公の正義感には実に清々しいものがあった。2018/07/25

あっ!chan

38
図書館で題名につられて手にした本。ヒューマンな泣かせる内容かと思ったら、実は建設談合と過重労働による労災死をテーマにした作品でした。発表は2007年、私がいる建設業界が舞台で、昨年の電通の事件を彷彿とさせるストーリー、しかも談合問題も絡み、細部はともかくしっかりした取材と公平な判断に基づいた展開に、好感とリアル感いっぱいであっという間に読みきった。書かれて10年、変わった事もあるし変わってないこともある…単に小説の上という事だけに留めず、もう一度しっかりと取り組む時期に来ていると改めて考えさせられました。2017/01/10

myunclek

11
企業戦士の心の葛藤。まさか主人公が最初から死んでるとは…(笑)もう少しドラマチック仕立てにできたのではないかと思ったり。巨悪を倒すに至る過程に迫力を感じなかった。最後に法定で藤堂弁護士が高橋被告への発言があったが、あまりにも綺麗事過ぎたようにも思ったのだが。2014/01/13

zanta

8
この設定の作品はいくつか読んだ。その中で一番!ということはなかったけれど、この設定が好きなようだ、私。こういう設定である必然性はない気もするが。残された誰かの視点で書かれていても同じ味わいは得られたのかな。死が一つの浄化作用で、憎しみも恨みも持たずに逝く、ということは救いで、そうであったらいいな、と思う。多分事実は無になるだけなのだろうけれど、この世を去った後、こうやって去った後ののことを見守れたらいいなと思ってしまう。私は片思い体質なので、自分の生活の心配なく、ただ見守るスタンスに憧れるわけだ。2013/10/20

はぁとまむ

6
過労死を、亡くなった「僕」の魂目線で語った物語。企業への献身度は、少し前まではとても高く、そこで自らを燃やしつくす人がとても多かった。そんなとき、企業は家族は、友人は・・・そして、死の真実は・・・?「過労死」問題は大きな社会問題だ。いつもそばにいることで、「僕」は、その後の解決を見ることができた。物語の中で、悪に染まった元上司を追求する弁護士の語った「裁判は人の罪の軽重を決めるだけではなく、その過程で自らの人間性回復していくのも重要だ」の言葉が、心に残った。2010/08/13

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