Joy novels
看守眼

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  • サイズ 新書判/ページ数 235p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784408504858
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

刑事を夢見て看守台に座り続けた男、最後の「看守眼」―。R県警の機関誌を担当する事務職員・山名悦子は、定年退職者全員による回想手記の特集を編集中に、ひとり分だけ原稿が足りないことに気付く。二十九年間、留置場の看守として警察人生を歩んできたF署の近藤宮男が原稿を寄越していないらしい。催促のため、悦子は近藤の自宅に向うが、「捜査」で外出しているという。「穴蔵刑事が穴蔵から出てきちゃった」と近藤の妻は笑うのだが…表題作ほか、「人生の瞬間」を緊迫の筆致で描く、六編の人間ドラマ。

著者等紹介

横山秀夫[ヨコヤマヒデオ]
1957年東京生まれ。大学卒業後、新聞記者を12年勤める。退社後、独立して作家活動に入る。91年『ルパンの消息』で第9回サントリーミステリー大賞佳作、98年『陰の季節』で第5回松本清張賞、2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞短編部門賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

eeko

31
6話の短編集。中でもトップの29年間看守台に座り刑事になれなかった男の『看守眼』がよかった。ひと殺しの容疑がかかっている男の真相を暴こうと胡乱な眼で見ている看守。そんな勘を頼りに自己捜査に乗り出すという危うい話。養われた看守眼が真相を掴みすごい(*_*)まさかそんな。。だった。あと『秘書課の男』自身の行動がどれだけ相手に快く思われていないか全く気が付かないという話。同じ思いをしなきゃ、わからないものなのだと4年後に気付き、、、もしかしたら自分もそんなことを知らず知らずにかも。おもしろかったです(^^)/2015/03/02

ロッキーのパパ

15
横山作品らしく重苦しい人間ドラマを集めた短編集。「自伝」と「口癖」が良かったかな。2012/07/31

ジンベエ親分

11
横山秀夫って「組織」独特の閉塞感がやたらリアルで、普段「組織」で仕事している自分としては、読書の時間までなんでリアルな閉塞感を味あわねばならんのだ、と敬遠気味ww。ただ、話そのものは安定して良いんだよな。本作は1作を除いて「組織」特有の姑息な人間たちが主役の短編集。その姑息さがやたらチクチクする。他人事じゃないもの。結末は話によって様々だが、あくまで閉塞空間の枠の中の話なので、「その先」に思いが及ぶと手放しで安堵することはない。むしろ「自伝」の嗜虐的な後味の悪さが心にヌルヌル流れて心地よかったり(笑)2016/07/30

ぱなお

11
★★★☆☆3.5 看守眼/自伝/口癖/午前五時の侵入者/静かな家/秘書課の男/の6編からなる短編小説―警察や新聞記者が主人公になることが多い横山秀夫作品ですが、フリーのライターや家裁の離婚調停員、知事の秘書といった人物が主人公。(全体的には、以前読んだ『真相』に似ていました。)小さな綻びを取り繕おうとしたり、過信したり、ほんの少し欲をを出してしまったがために、奈落に突き落とされるような…短いストーリーにも展開とオチがちゃんとあって、やはりこの方の短編は面白い。個人的には『口癖』の女の毒に唸らされました。2014/04/11

takaC

10
警察官物じゃないのね。でも面白かった。2007/11/26

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