出版社内容情報
2013年
学校課題図書。店舗在庫僅少につき版元取寄せになる場合がございます。(入荷までに2・3週間掛かかります。)また品切れになる可能性もございますので予めご了承下さいませ。
内容説明
尾張の国・阿久比の庄。貧しい百姓家の若者たちは、新しい村への移住を決意する―。だが、丁寧に耕して開拓した土地は肝心の作物が育たなかった。藍の絞り染めの技術を獲得すれば、なんとか暮らしをたてることができるのではないか―生き残りをかけた庄九郎たちの試行錯誤の日々が始まる。
著者等紹介
中川なをみ[ナカガワナオミ]
山梨県生まれ。『水底の棺』(くもん出版)で日本児童文学者協会賞受賞。日本児童文学者協会会員
こしだミカ[コシダミカ]
大阪生まれ。画家。子ども番組「できたできたできた」(NHKEテレ)にて背景の絵と立体を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shiho♪
21
H25年度高学年課題図書。恥ずかしながら愛知に住んでいながら、有松絞りは知っていても竹田庄九郎さんのことは知りませんでした。 知多の阿久比で生まれた庄九郎によって有松(松しかないから有松)は開拓されていったのですね。 農家生まれで若いながらも苦難の連続の中、阿久比の皆を率いて有松絞りをブランドにした庄九郎のキャプテンシーが素晴らしい。「この人なら信じてついて行きたい」と思わせる人間力。性格が皆を信頼し実直なのが物語からうかがえる。児童にはあまり伝わらないだろうが『リーダーとは』を考える物語。2022/01/04
Chiyo K.
16
読んでから三ヶ月近くたってしまったが、藍染産業を1から始める尋常でない苦労がよく伝わってきたことをおぼえている。そしてそれには長い時間がかかり一代ではとうてい完成せず、だからこそ長く受け継がれる価値のあるものを残せるということも。昨日有松を訪問し、有松絞りの鮮やかさと落ち着いた町並みを見て、継承を続ける地元の方々の努力を思った。現代美術展とのコラボ企画で、そうでなければ私も訪れる機会はなかったと思う。伝統は守られると同時に作り続けられている。2022/06/19
ゆにす
12
課題図書なので読みました。あまり期待してなかったのに、読み始めたらとても良いお話でした。文章も読みやすくて好感が持てました。表紙の絵、装丁デザインをもっと有松染めがわかるものにしたらよかったのに。この表紙では女子は手にとらないと思います。いかにも課題図書的な表紙が残念。2013/07/10
杏子
12
読書感想文課題図書、小学校高学年向け。実際にあった話を元にしているそうで、筋運びは淡々としてましたが、すっきりした文章は好感が持てました。有松絞りがどんなふうに生まれていったのか。庄九郎たちの苦労が忍ばれます。歴史のひとこまを見るようでとても興味深かったです。高学年向けだけど、中学生にも行けたかも。中川なをみさん初めて読みました。他の作品も読んでみたいな。2013/06/15
TERu☆
11
とても良い話しだった。 子供が読むにもとても良いと思う。 ただ、児童書のためページ数をするためか、若干、話しの奥行感が浅めに感じてしまうけど、それでも読んでよかったな〜と思う一冊。2013/08/19