内容説明
日本最多安打バッターが語る原爆にうばわれた姉、母からおそわった民族の誇り、いま伝えたい次代へのメッセージ。
目次
第1章 原爆 忘れえぬ記憶
第2章 少年時代 野球との出合い
第3章 「半島人」として生きる
第4章 いいときこそ自分を疑え
第5章 メジャー、イチロー、韓国野球のこと
第6章 魅力ある日本プロ野球のために
第7章 伝えたいこと 戦争に喝!
著者等紹介
張本勲[ハリモトイサオ]
本名・張勲(チャンフン)。1940年広島県生まれ。元プロ野球選手・野球評論家。松本商業高(現・瀬戸内高)から浪華商業高(現・大阪体育大学浪商高)を経て、東映フライヤーズに入団。プロ入り1年目の1959年に新人王を獲得。61年に初の首位打者。62年にはパ・リーグ最優秀選手(MVP)に輝き、チームを日本一に導く。70年には、当時の日本記録となるシーズン最高打率3割8分3厘4毛を樹立。その後、日拓ホームフライヤーズ(73年)、日本ハムファイターズ(74、75年)、読売ジャイアンツ(76~79年)を経て、ロッテオリオンズ(80、81年)で現役を引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
18
○張本選手のプロになるまでの話が面白かったです。また被爆、右手の不自由、民族的差別と普通ではない困難を乗り切り偉大なプロ野球選手になったことに敬意を表します。2022/08/10
古隅田川
2
お客さんの少ないパリーグから巨人に移籍して、「ファンから育てられる」という言葉の意味を体感したくだりに共感した。 プロ野球ファン、張本選手のファンにとっては興味深い話題ばかりで楽しく読み進める。 しかし、この本のテーマはプロ野球界の裏話ではなく、戦争と差別への反対を訴えること。 原爆資料館の前まで行きながら中に入ることができなかったという体験は、言葉で語ることができる範囲を超えた惨状を伝えていると思う。 韓国プロ野球に渡った在日選手の「私の国籍は日本海ですか。」という言葉もあまりに切なく、そして悲しい。 2019/11/03
みなみ
2
サンデーモーニングのご意見番で、すっかり恒例の炎上キャラになってしまった張本さん。図書館でこの本をみて、炎上キャラではない彼の姿を知りたいと思い読んでみた。張本さんが被爆者だというのは記事をみたことがあるけど、幼い頃やけどで右手が不自由になったことは初めて知った。朝鮮半島出身でなければ、もっと早く治療出来たのかもしれないと思うと、差別の根深さを思い知る。野球界への意見も色々書いてある。テレビ向けのわかりやすい喝!だけではない人物だ。しかし、だからこそ、昨今のサンデーモーニングの炎上狙いの演出は痛々しい。2019/10/17
Shoki Uenaga
2
偉大な大打者 張本さんの生い立ちから、野球に対しての考え方など、読み応えのある一冊でした。 張本さんが広島で生まれ育ち被爆経験があるということがこの本を読めばよくわかります。 これだけ発言力のある方が平和を訴えてくださっているのは本当に素晴らしいこと。2012/09/07
VAL
2
安打日本記録、そして日曜朝のコーナーでおなじみハリさんの自伝と球界への意見。少年時代の被爆経験の描写は生々しく、痛々しい。外国の野球や選手の鍛錬の意識を読んだことで、今後はある程度コメントが読めそうな気がします。似た内容の文章や誤字が見られるのはご愛嬌。2011/11/15