内容説明
貧困の問題を経済学の問題として初めて提起した画期的な著作『貧乏物語』。超ベストセラーとなった河上独特の明快で格調高い文章は、今日なお瑞々しい生命力と血の通った迫力を持つ。「貧困問題」が大きくクローズアップされる現代、熱く真実を探求し続けた河上の代表作を字体を大きくして刊行。林直道氏の書き下ろし解説を付す。
目次
いかに多数の人が貧乏しているか(上編)
何ゆえに多数の人が貧乏しているか(中編)
いかにして貧乏を根治しうべきか(下編)
著者等紹介
河上肇[カワカミハジメ]
1879年~1946年。経済学者。山口県錦見村(現・岩国市)生まれ。東京帝国大学農科大学講師、読売新聞社記者などを経て、1915年から京都帝国大学教授。1928年京都帝大を辞職し政治活動に参加。1933年に検拳・収監される。1937年出獄後は、自叙伝などを執筆。終戦後、活動への復帰を予定したが、1946年に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じゅんじゅん
2
解説がわかりやすい。本文読む前に読んでおけばよかった。貧乏は20世紀最大の大病だが21世紀のいまでもそれは変わらずである。社会主義は20世紀で行き詰り資本主義も限界にきているつぎの世代はどうなるのか。2016/05/25
りっちー
2
100年前の本だけれど、ぜんぜん面白い! 今でも十分に通じる素朴な疑問満載で、一番基本的で大事なことが書いてある。オススメかも!2014/11/14
oko1977
2
第一次世界大戦の本であるが、今まさに問題となっている格差について考えさせられる本だった。貧乏は不平等・依頼・不足の3つに分類できるが、不足の貧乏は国のもっとも大切な人材から蝕む大病である。資本主義がよくないわけではなく、結局は人の心にある。人が無益なぜいたく品(肉体・知恵・精神を健全に保っていくのには必要不可欠ではないもの)を慎むという姿勢を持たない限り格差はなくならない。なぜなら資本主義においては、需要があればそれを作って売る行為は、罪どころかむしろ経済活性として歓迎されるからである。字数が足りない。2013/02/15
柴犬 太郎
1
戦前時代の貧困の記録。急激な富国強兵策の暗部が描かれている。はボリュームのありすぎる林直道氏の解説も2009/07/23
三郎
0
貧乏をなくすには豊かな者が生活を少し我慢することが大事という結論に納得!2012/07/14