感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takao
2
資本論講座に参加しながら読み進んだ。予習が間に合わず、復習でようやく読み終えた。第2分冊では、第8章「労働日」(Working Day、労働時間のこと)が読みやすく、その内容も印象に残った。エンゲルスの『イギリスにおける労働者階級の状態』でも、当時のイギリス政府の諸調査を活用して労働者の状態を克明に綴っていたが、『資本論』でも、1850−60年代のイギリスで、言語に絶する過酷で非人道的な労働が横行していたことがよくわかる。150年近くを経たいま、世界を席巻している新自由主義がそれを再現している。2015/11/09
Mercy
0
第二篇「貨幣の資本への転化」、第三篇「絶対的剰余価値の生産」所収。とくに第六章から第八章における、不変資本と可変資本の区別、剰余価値率の提起、そして労働日をめぐる闘争へのマルクスの叙述が冴え渡っている。ヘーゲル論理学、経済学批判、イギリスの資本家たちの証言、シェイクスピアにラテン文学、はては自分でこさえた論敵へのあだ名の数々...教科書的な説明で「理解」してしまってはあまりにももったいない、マルクスのレトリックの快刀乱麻、神出鬼没...訳知り顔でこの不世出の大著を素通りして読まないのはもったいない。2021/08/04