新人物ノベルス
孤宿の人〈下〉

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  • サイズ B40判/ページ数 353p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784404035592
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

井上家を出て、引手見習いの宇佐の世話になっていたほうは、舷洲の斡旋によって加賀殿が幽閉されている涸滝屋敷に下女として住み込む。二十日あまり過ぎたある夜、涸滝屋敷に曲者が侵入、逃げ込んだ部屋で、ほうは加賀殿とはじめて顔を合わせる。そして、ほうは加賀殿の部屋へ手習いに通うようになる。丸海藩の内紛が起こるなか、“悪霊”と恐れられた男と無垢な少女との魂のふれあいが…。

著者等紹介

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
東京都江東区に生まれる。昭和62年、「我らが隣人の犯罪」で第26回オール讀物推理小説新人賞受賞。同年「かまいたち」で第12回歴史文学賞佳作受賞。平成元年、「魔術はささやく」で第2回日本推理サスペンス大賞受賞。平成4年、「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞、「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞受賞。平成5年、「火車」で第6回山本周五郎賞受賞。平成10年、「理由」で第120回直木賞受賞。平成13年、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、平成14年、第6回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。平成19年、「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ふじさん

85
宇佐の世話になっていたほうは、舷州の斡旋で加賀殿が幽閉されている涸滝屋敷の下女として住み込むことになる。偶然の出会いで加賀殿と出会い、手習いと算盤を習うことになる。通っている内に、加賀殿が優しく思いやりのある人物だと知る。そのうちに、丸海藩では、町民同士の諍いが起き、火事が発生して、町は混乱の渦に巻き込まれる。悪霊と恐れられた男と無垢な少女との魂のふれあいが描かれるが、最後は哀しく切ない結末を迎える。宮部みゆきの新境地を拓く大作。一人の少女の成長小説では、終わらない読みどころいっぱいの時代小説。 2021/12/12

シンシア

18
鬼、悪霊の仮面をかぶって、居心地がよくなってしまわぬように…私は?どんなお面をかぶっているのだろう。 ほうのように、心のきれいな人でありたい。沢山の人が人を思いながら死んでしまうのは、つらい。悲しい話しでした。2014/01/20

豆乳くま

14
為政する者の権力争いなんて知らん。いつも民衆が犠牲になり苦難を強いられる。怒涛の下巻、涸滝の屋敷に幽閉された加賀様と孤児のほうの交流は美しいあまりヒリヒリし危ういバランスで目眩がしそうだった。誰からも疎まれたほうだが気にかけてくれた人も沢山いた。その極めつけが加賀様だった。最後の最後に「奉公を解く」とほうの背中を押し逃げろと言ってくれた。そして瀕死の宇佐に会えた。読む手が止まらず一気読み。素晴らしかった。宮部先生ありがとう。2021/10/31

がるっち

11
上巻の冗長さから一転し、下巻は早い展開。丸海の街は一部の人間の始めた、見えない力にぐちゃぐちゃにされていく。その力が多方面からあり、説明を受けるにつけ、むなしくなる。泣けた。ほうが生き延びたのが救い。2010/08/03

Chiaki

9
泣けた…。 黒くて重い雰囲気、やりきれなさが続くお話。そんな中で、ほうのけなげで一生懸命な姿、彼女を守ろうとする人たちの姿にほっとした。(そんな人たちが次々亡くなってしまうのが悲しかったが) 今の世の中も、このお話の中のような状態があるかもしれない。悪い方へ悪い方へ流れていかないようにしないと。  ほうが使う敬語が読んでいて気持ち良かった。2014/03/03

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