出版社内容情報
讃岐国に流された幕府の罪人加賀殿。以来毒死や怪異が頻発し「悪霊」と呼ばれるが、その幽閉屋敷に下女として住み込むことになった無垢の少女「ほう」と彼との魂のふれあいを描く感動長編。
内容説明
それは海うさぎとともにやって来た!讃岐国丸海藩―。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてくることに。海うさぎが飛ぶ夏の嵐の日、加賀殿の所業をなぞるかのように不可解な毒死や怪異が小藩を襲う…。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
東京都江東区に生まれる。昭和62年、「我らが隣人の犯罪」で第26回オール読物推理小説新人賞受賞。同年「かまいたち」で第12回歴史文学賞佳作受賞。平成元年、「魔術はささやく」で第2回日本推理サスペンス大賞を受賞。平成4年、「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞、「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞受賞。平成5年、「火車」で第6回山本周五郎賞受賞。平成10年、「理由」で第120回直木賞受賞
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感想・レビュー
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さと
101
【再読】普段 再読はしない方なのだが、この作品は時折思い出すほど印象深く急に思い立って再び手に取った。自らを阿呆の「ほう」と覚え何一つ求めることなく定められた運命を受け入れていく姿が本当に愛おしい。ほうが感じる全てを自分も一緒に感じている気になる。さぞ恐ろしいだろう、さぞや不安だろう…。皮肉にも理解できないことで、見たまま感じたままを腹に落としていくほう。受け入れねばならない不条理によって自らの心に怒りや怖れを生み、それによって苦しみ怯える大人たちとの対比がほうを眩しく輝かせていく。 2019/01/10
にし
57
初宮部作品。その筆力にグイグイ引き込まれる。名前の「ほう」は阿呆のほう。天涯孤独の少女が背負う定めは何故こんなにも理不尽なのだろう。琴江様の無念も晴らせず、涸滝に奉公にあがるその時「ここは牢だ。鬼や悪霊と一緒に閉じ込められた」と涙した時は共に涙してしまった。つらかったなぁ。ほうと宇佐、二人のこの先を見守りたい。2014/01/24
Yuna Ioki☆
55
797-406-18 ちょっと苦手な江戸時代物。まだまだ序盤で何がどう繋がるのやらわからない状況。とりあえず下巻を読むことにします。2014/12/31
ねむねむあくび♪
53
阿呆だから『ほう』と名付けられた9歳の頑是無い女の子と、女の身で番屋の引手見習いの宇佐。藩の思惑と、それに押し潰される周囲の人の様が醜い。翻弄される人々の行く手にはー?このまま、下巻へ!!2014/10/20
浅葱@
51
置かれた環境。育ち。つながり。加賀様の呪いに絡まりながらも、ほうや宇佐の疑いや孤独を感じてしまう。フレイヘイドを訳せなかった時代ではあるけれど、謎の解明とともに少しでも明るい方へ向かってほしくて。2015/10/19