内容説明
明治32年、鴎外・森林太郎は第12師団軍医部長として九州・小倉の地に単身赴任する。人事異動への不満、挫折感、そして復活に賭けた鴎外の生きざまを赤裸々に描く書き下ろし長篇力作。
著者等紹介
内村幹子[ウチムラミキコ]
本名・宇山翠。福岡県に生まれる。昭和61年、「今様ごよみ」で第10回歴史文学賞受賞。平成6年、北九州市民文化賞受賞。北九州森鴎外記念会会員
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
20
軍務も文筆業もこなしている事が疎まれたのか、鴎外は小倉にやって来る。鬱々として楽しまない鴎外だったが、地元に住む物知りの老人らと親しくなり、次第に気分がほぐれてゆく。離婚した前妻が死に、再婚相手も現れるが、母親との仲が次第に険悪になってゆく。2002/04/23
よし
5
「妻を離別していた鴎外は、単身小倉に「左遷」される。生身の彼を描こうと思い・・。彼の息づかい、人事異動への不満、挫折感、そして復活に賭けた生きざまを・・。」面白かった。一気に読んでしまった。漱石の生き様は、かなり詳しく読んできたのだが、鴎外は、全く初めて。これを機に、鴎外の作品、一生に大いに興味が湧いてきた。2018/09/29
よし
3
なんと4年前に読んでいた。何となく「既視感」があったような。でも初読みみたいだった。一気読み。小倉時代の鴎外の人となり、想い、息遣いが手にとるように伝わってくる。小倉の記念館に行ってみたくなった。さらに、全集も読まなくては。2022/11/17
金吾
3
少しぐれている文豪に微笑が浮かんでしまいました。2018/08/20