内容説明
骨肉相食む鎌倉幕府の陰謀と抗争！弱冠１８歳で執権となった北条時宗を描く表題作はじめ、「頼家無惨」「波の彼方へ」「摂家将軍」の４篇を収録。歴史文学賞受賞の女流が放つ歴史連作集。
著者等紹介
内村幹子［ウチムラミキコ］
本名・宇山翠。福岡県に生まれる。昭和６１年、「今様ごよみ」で第１０回歴史文学賞受賞。平成６年、北九州市民文化賞受賞。北九州森鴎外記念会会員。著書に「もうひとつの小倉」「いちじく」「富子撩乱」などがある
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
11
乳母比企氏の権力増大を怖れた頼朝の妻政子を中心とする北条家は2代将軍頼家を病を機に排除し、弟で政子の妹阿波局を乳母として育った実朝を擁立する。修善寺に幽閉された頼家は23才で暗殺される。「頼家無惨」13才で実朝の妻として京からやって来た季子。しかし夫は兄の遺児公暁に殺される。「波の彼方へ」自分の代わりに5代将軍として赴く8才の息子頼嗣を見る父、4代将軍頼経。彼もまた2才で鎌倉に赴き、年上の妻を押し付けられた。「摂家将軍」兄時輔との確執、蒙古襲来など若き総帥時宗には苦難がふりかかる。「時宗立つ」収録。2007/07/25
しゃむ・しゃむ
2
鎌倉時代の小説集。表題の時宗、冒頭の「頼家無残」は共に18歳で権力者となった同時代の人間の物語。後鳥羽上皇も19歳だっけ。若いなあ。傀儡から脱却する年代になったら放逐される公家や皇家から下された将軍達の人生も哀しい。風光明媚な観光地の鎌倉は凄惨な歴史を秘めているのね。2021/06/16
