内容説明
2008年ノーベル物理学賞受賞者、南部陽一郎が提唱した、素粒子の「質量の起源」を探るカギとなる自発的対称性の破れや小林誠と益川敏英の、クォークが6種類あることを予言した小林・益川理論など、現代物理学のすべてをわかりやすく解説。
目次
第1章 二十世紀の物理学
第2章 古典論最後の輝き
第3章 量子論の確立
第4章 原子核から素粒子へ
第5章 物質の多様な振る舞い
第6章 新しい実験技術
第7章 宇宙への飛躍
著者等紹介
池内了[イケウチサトル]
1944年、兵庫県に生まれる。67年京都大学理学部物理学科卒業、72年同専攻博士課程修了、理学博士。京都大学助手、北海道大学助教授、東京大学(東京天文台)助教授、国立天文台教授、大阪大学教授、名古屋大学教授を歴任し、現在、総合研究大学院大学教授。この間にプリンストン大学、ジョンズ・ホプキンス大学、スペース・テレスコープ科学研究所の客員研究員。宇宙論、銀河物理学を専攻し、宇宙や銀河の起源と進化についての研究を進めるほか、科学と社会との関係についての発言も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shinano
5
本書に出てくる聞いたことのある物理現象や法則・方程式などよりも、知らなかった科学者たちの実績とノーベル物理学化学賞受賞者の名がたくさんいたことを知っただけでもよかったと思います。人間の努力ってスゴイ。科学の進歩ってスゴイ。こうなってくると、人間精神の中身も進歩しなきゃ。2010/03/13
黒豆
4
ノーベル賞をキーにした受賞した人々、受賞出来なかった人々の物理学発展とリンクした話で受賞出来なかった人の理由や受賞を推薦した人との繋がりなど面白かった。2015/01/14
MAT-TUN
3
これは良い本。とてもおもしろい。セグレ教授の「X線からクォークまで」もよかったが、本書はまた違ったデータベース的面白さがある。フェルミのパラドックスというのを初めて知った(笑)「なぜ宇宙人は地球に来ないのか。彼らはどこにいるんだい?」考察①宇宙人は存在し、すでに地球に到達しているが検出されない。考察②宇宙人は存在し、過去に地球に到達していたが、最近は到達していない⇒すでに来訪してハンガリー人を名乗っている(天才すぎて"火星人"と呼ばれていたフォン・ノイマンのこと(笑))2012/07/14
yuyushirai
1
受賞者の業績・発見にいたる経緯や人となり、歴史的必然性など、簡潔に纏められており、科学啓蒙書としてはとても優れた良書。筆者の偏見や解説もいい意味でスパイスとして効いている。漲ってくるよ2012/04/30
apathy
1
現代物理学の推移が科学者の名とともに語られている。偉大な公式や法則の発見、そしてノーベル賞の受賞には必ずドラマがあることを分からせてくれてとても面白かった2011/07/18